著者
西原 彰宏 新倉 貴士
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.46-59, 2021-09-30 (Released:2021-09-30)
参考文献数
13

デジタル変革により流通機能の脱構築が進行している。これを受けた小売現場では,多様な流通ビジネスモデルが展開されている。こうしたビジネスモデルを背後に,消費者には様々な機能を兼ね備えたモバイルアプリが提供されている。消費者に提供される製品カテゴリーの総合性と提供される機能の統合性を軸にすると,多様なモバイルアプリの競争的な類型化が可能になる。マス・マーケットを対象とすると,製品カテゴリーの総合性と機能の統合性を高く保持するリーダー型のモバイルアプリの存在が見いだせる。逆に個のマーケットを対象とすると,それらの軸の逆方向に,市場特化型のモバイルアプリと機能特化型のモバイルアプリが見いだせる。本稿では,それぞれの流通ビジネスモデルを反映するモバイルアプリの競争類型を念頭におき,モバイルアプリに期待される買物のスマートさと買物の楽しさを中心にモバイルアプリの利用実態とその認識に関する調査結果を報告する。
著者
新倉 貴士
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.43-56, 2014-03-31 (Released:2020-06-23)
参考文献数
17

本稿では,消費者視点から捉えた業態認識に関する概念モデルを提唱する。消費者情報処理研究に基づき,消費者のもつ認知表象として業態を捉えたうえで,その認知表象を構成するメカニズムとして,既存研究で言及されてきた業態の「原型なるもの」に焦点を当て,業態認識に関する抽象的な概念と具体的な実像という抽象関係の構図に着目する。次に,消費者による業態認識の情報処理をトップダウン型とボトムアップ型に識別したうえで,カテゴリー化研究における典型性に基づくカテゴリー構造に示される典型事例としてのプロトタイプとエグゼンプラーの役割の重要性を踏まえ,新たな概念としてエグゼタイプを導入する。そして,これらの典型事例を基にした業態の認知分布を仮定することにより,業態間の連続性と業態間変動,業態における中心性,そして業態内変動と業態間変動についての説明が可能になるのである。
著者
新倉 貴士
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.29-45, 1993-09-20 (Released:2009-05-29)
参考文献数
40
被引用文献数
2