著者
伊藤 玄 旗 薫 北村 淳一 古屋 康則
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-24, (Released:2021-10-05)
参考文献数
27

Non-native populations of Tanakia lanceolata were found in the Naruse River system, Miyagi Prefecture (Northern Honshu), Japan. Examination of nucleotide sequences of the mitochondrial DNA cytochrome b region indicated that the population was a genetic lineage of those naturally distributed in Western Honshu, Japan. In particular, a haplotype present in the Naruse River populations was consistent with one identified in populations in the Asahi and Kurashiki River systems, Okayama Prefecture.
著者
旗 薫 小池 花苗 丹野 夕輝 中島 淳
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.15-32, 2020 (Released:2020-08-20)
参考文献数
26

宮城県で採集されたクレードA に属すると思われるドジョウについて,ミトコンドリアDNA 調節領域による遺伝的特徴と,体型や骨質盤による形態的特徴を調査した.宮城県産クレードA はキタドジョウと同定された下北半島産クレードA と同じ遺伝的集団内の異なる分集団に属すること,眼径や第2 口髭長の体長比は下北半島産クレードA が示す値に近いが,骨質盤の形態は明瞭に異なることなどが明らかとなった.このことから,宮城県産クレードA はキタドジョウとは形態的に区別できる未知の在来集団,もしくは人為的に導入されたドジョウとの交雑集団である可能性が考えられた.
著者
旗 薫
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.69-80, 2020 (Released:2020-08-20)
参考文献数
48

2009 年から2019 年にかけて,宮城県内の河川で暖水性魚類4 種を採集した.テングヨウジMicrophis (Oostethus) brachyurus brachyurus,オオクチユゴイKuhlia rupestris,クロホシマンジュウダイScatophagus argus は宮城県初記録ならびに標本に基づく北限記録となる.これらは黒潮がもたらした無効分散による出現であったと考えられる.一方,複数河川から採集されたボウズハゼSicyopterus japonicus には越冬個体が含まれた.