著者
日景 奈津子 村山 優子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.250-255, 2007-06-15 (Released:2007-08-24)
参考文献数
14

本研究では,これまでに安心感の定量的評価の実現を目的とした安心度評価モデルについて提案してきた.本論文では,安心度評価モデルについて紹介し,提案モデルの妥当性の検証について報告する.質問紙を用いて安心感に関する意識調査を実施し,得られた統計データを用いて因子分析を実行した.その結果,1)社会的信用と安全性に対するユーザの期待感,2)ユーザインタフェースを介して得られる満足度,3)ユーザの主観と経験に基づくリスク理解の3 因子が安心感要因として抽出可能であることを確認し,提案モデルを支持する安心感の構造を示した.今後の課題として,抽出された安心感因子を用いて,あるシステムに対するユーザの主観評価値を予測するためには,これらの因子を定量的に考慮した予測方法の定式化または数量化手法の検討が望まれる.
著者
日景 奈津子 カールハウザー 村山 優子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.3193-3203, 2007-09-15
参考文献数
32
被引用文献数
16

本研究では,情報セキュリティ技術に対する利用者の安心感について,その構造を明確にする.安心感の要因を把握するための調査実験を行い,探索的因子分析を実施した.その結果,セキュリティ技術の安全性に関わる因子,システムの操作性や使いやすさに関わる因子等,6 因子を抽出した.さらにそれらの因子が,外的要因と内的要因の2 つのグループに大別され,安心感を構成しているという仮説を立て,共分散構造分析により検証した.本論文では,調査実験および分析結果とともに安心感の構造について報告する.In this research, we identify the structure of Anshin 窶髏 the sense of security. We conducted the user survey and came up with six major factors by the explanatory factor analysis (EFA). With the results, we had a hypothesis that those six factors could be categorized in two groups; one is environmental-based and the other is personal-based. The two groups would consist Anshin. We verify our hypothesis by using structural equation modeling (SEM). This paper reports on our survey and analysis.