著者
森島 保 早原 悦朗 松井 信行 平山 弘三
出版者
Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子通信学会論文誌. C (ISSN:03736113)
巻号頁・発行日
vol.J65-C, no.4, pp.257-262, 1982-04-20

DC-DCコンバータやDC-ACインバータに広く用いられているロイヤー回路は,回路構造が簡単にもかかわらず回路解析が面倒なため,従来,スイッチング時間や電力損失の評価はほとんどなされていなかった.本論文は比較的低負荷時のロイヤー回路の動作解析を行ったものである.回路素子のモデルは磁心のB-H特性は平行四辺形の折線で近似し,トランジスタは電荷蓄積効果を考慮した Ebers-Mollのモデルを用いた.又,計算方法は状態推移法を使用した.計算機によるシミュレーションの結果は実用上十分な精度であることを実験によっても確めた.
著者
平野 智 早原 悦朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.562-572, 1995-05-25
被引用文献数
1

演算増幅器1個とLCR素子を組み合わせた単一演算増幅器形回路の構成法について検討した.提案したLCR素子を用いた単一演算増幅器形回路は,定抵抗入力インピーダンス,零出力インピーダンス回路であり,すべての安定な伝達関数が実現可能な回路構成法である.本論文では特に全域通過特性の実現方法に注目してその設計法を示し,実際に5次の全域通過特性を実現する回路について計算機シミュレーションおよび個別部品を用いた試作回路によって実験を行い,Deliyannis形回路の縦続構成による回路と比較を行った.LCR素子に対する素子感度特性および演算増幅器の周波数特性,インダクタLのQに対する感度特性を求め,提案した全域通過回路は低素子感度であり,しかも必要なリアクタンス素子は伝達関数の次数と同じ数でよいという利点があることを示した.