著者
早崎 峯夫 大石 勇
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.455-458, 1987-06-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
8

秋田犬 (雄, 3才, 体重18kg) に全身性強皮症に類似した皮膚変化がみられた.特徴的異状所見は, 仮面様顔貌, まばたきおよび開口の困難, 木馬様歩行であった.開口の程度は, 口吻先端で約5cmで, 舌の運動も障害されていた.しかし, 食欲, 元気は正常であり, 採食も時間をかけて必要量を採ることができた.被毛, 皮膚表面, 眼, 粘膜, 筋肉, 関節, 骨, 耳および性格に異常を認めなかった.皮膚の生検にて, 膠原線維の著明な膨化増生や, 汗腺, 皮脂腺の萎縮が認められた. 臨床病理学的検査では, 抗核抗体とCRPは陰性, 副腎機能検査では, ソーン試験における好酸球数減少率は56.5%と, 軽度な機能低下が示唆された.症例犬は, 病態観察中, 第104日に腸捻転と腹膜炎により突然死亡した.
著者
早崎 峯夫 勝矢 朗代 Kun-Ho SONG
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.549-552, 2008-07-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
19

犬糸状虫抗原を用いた免疫ブロット検査により, 2000年11月から2001年8月にかけて, 山口県内で飼育されている猫315頭 (雄136頭, 雌168頭, 不明11頭) を対象に犬糸状虫の感染調査をしたところ, 19頭 (6.0%) が検査陽性と判定された. 雄 (12頭/136頭, 8.8%) は雌 (7頭/168頭, 4.2%) より陽性率が高かったが有意差は認められなかった (P=0.095). 屋内外を自由行動する猫 (11頭/199頭, 5.5%) と屋内飼育の猫 (5頭/90頭, 5.6%) との間の陽性率に有意差は認められなかった (P=0.594). 猫の年齢別では, 2歳以下 (5頭/117頭, 4.3%), 3~6歳 (6頭/86頭, 7.0%) および7歳以上 (7頭/92頭, 7.6%) の順に年齢が高くなるとともに陽性率は上昇したが有意差は認められなかった (P=0.559). 東部 (7頭/106頭, 6.6%), 中部 (6頭/123頭, 4.9%), 西部 (5頭/65頭, 7.7%) および北部 (1頭/11頭, 9.1%) の地域間の陽性率に差は認められなかった.