著者
早川 巌 今井 基泰 高山 義明 辻 喜之 守沢 正幸 安藤 秀二 米田 豊
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.19-25, 1984-02-01

上顎全部床義歯の装着間と維持安定とは相反する要素も含まれており, 両方を満足させるような義歯を製作することはなかなか困難である. 当教室でも上顎義歯口蓋部を薄床化する試みはいくつか行ってきた. 今回は, 圧印金属床義歯の製作法を改良することで装着感を向上させようと試みた. その結果, 近年実用化された接着性レジンの導入, それに伴う床材料としてのステンレス鋼の再選択, 圧印形成法の改良などにより, 義歯の維持安定を低下させることなく装着感を向上させ, しかもその製作過程を簡素化させるシステムを開発し, 実用化することができた.
著者
早川 巌 松本 竹男 仲地 理 安江 透 石塚 等 増原 英一
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.59-63, 1987-01-25
被引用文献数
1

不適合義歯の裏装法には, 常温重合レジンを用いる直接法と加熱重合レジンによる間接法とがある.前者は, 簡便で適合性もよいが, モノマーの刺激や重合時の発熱が患者に不快感を与え, さらに物性的にも問題がある.一方, 後者は, 裏装材の物性は優れているが裏装操作が煩雑で, かつ重合時の加熱によって義歯床に変形が生じるため適合性にも問題がある."エポレックス・リベース"は, これら従来の裏装材に付随した問題点を解決する目的で開発された光重合型直接裏装材である.すでに本材料の理工学的性質, 生物学的安全性などについては検討され, 裏装材として十分実用性があることが判明しているので, ここでは, 硬いが幾分脆いという本材料を義歯床レジンに張り合せた場合に, どの程度の補強効果があるかを検索した.また, 裏装後の適合性についても加熱重合レジンおよび常温重合レジンを使用した場合と比較検討した.その結果, 適合性については, 本材料は加熱重合レジンよりはるかに良好で, 常温重合レジンに相当するものであった.補強効果については, 両者を積層することにより塑性変形量が増大して靱性が著しく向上し, 本材料を用いた裏装義歯は, 従来の床用材料のもつ脆性を克服し, 義歯自体の耐久性をも高められる可能性があることが示唆された.
著者
早川 巌
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.435-436, 1994-03-07

最近、マスコミの報道する電算機の不正操作等による窃盗及びタイムリー記録により財産変動を起こさせるコンピュウタ.ウイルス等による犯罪が顕著に現れ、社会人の標的になっている。コンピュータプログラムに著作権を認め、知的所有権等の侵害行為を権利義務の民事法的侵害として損害賠償の対象とする傾向が現代の高度情報化社会の特徴となっていることは、社会人の知るところである。そこで、電算機に関連して発生する刑事法問題と併せて電算機を使用して行われるプログラム著作権等の知的財産権、企業秘密の窃盗、不正操作による権利侵害等に関する電算機関連犯罪の理論的体系化、即ち(1),電算機使用詐欺による個人の財産的利益の侵害、(2)情報処理過程における業務妨害に対する犯罪、(3)電磁的記録不正作出の罪、(4)電算機の機密保持機能(機密性)に対する侵害、(5)記録化された情報資源の故意窃盗による侵害行為、(6)システムの暇疵担保責任について検討しようと思う。