著者
早川 昌範
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学文学部紀要 (ISSN:02858940)
巻号頁・発行日
no.7, pp.p44-49, 1977

Two factors were found as a result of factor analyses of "fear" scales used in the studies of fear-appeal and attitude change. One factor was an anxious-fearful feeling. The other was an unpleasant-disgusted-angry feeling. The latter might be divided into two sub-factors: an unpleasant feeling and a disgusted-angry feeling. It was suggested from this result that "fear" should be measured multidimensionally in the study of attitude change by "fear" appeal.
著者
戸塚 唯氏 早川 昌範 深田 博己
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.26-36, 2001-12-25 (Released:2010-06-04)
参考文献数
16

防護動機理論 (protection motivation theory: PMT) とはRogers (1983) によって提唱された脅威アピールの説得効果を説明するための理論である。本研究の目的はPMTに基づいて, 環境ホルモン (擬似エストロゲン物質) の対処行動意図を促進, あるいは抑制する要因を検討することであった。独立変数は, 脅威 (高・低), 反応効果性 (高・低), 反応コスト (高・低), 性 (男性・女性) であり, 400人の被験者 (男性200人, 女性200人) を16条件のうちの1つに割り当てた。その後被験者に説得メッセージを呈示し, さらに質問紙に回答させた。分散分析の結果, 脅威と効果性, 性の主効果が見いだされ, 脅威や効果性が大きいほど, また男性よりも女性の方が, 環境ホルモン対処行動意図が大きいことが明らかとなった。次に実験的検討を補うために, PMT認知要因 (深刻さ, 生起確率, 効果性, コスト, 自己効力, 内的報酬), 性, 恐怖感情を順に説明変数に投入する階層的重回帰分析を行った。その結果, コストを除いたPMT要因と性, および恐怖感情が環境ホルモン対処行動意図に影響を与えていることが明らかとなった。
著者
早川 昌範
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学論叢. 心身科学部紀要 (ISSN:18805655)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.95-102, 2008-03

日本社会心理学会第42回大会が,2001(平成13)年10月13日(土)・14日(日)に,愛知学院大学(日進学舎)で開催された.本稿はその大会の概要を述べ,大会のメインテーマである「21世紀の社会心理学の重要課題と方法論」に関して企画された,講演と公開シンポジウムについて,口頭発表部分の若干の補足を行なったものである.愛知学院大学文学部心理学科の教職員が核となった大会準備委員会が,講演と公開シンポジウム,さらに公開講演を1つとトーク&トーク(ミニシンポジウム)を6つ企画した.自主企画・運営シンポジウムも6つ開かれた.口頭発表数は89件,ポスター発表数は212件.実際の大会参加者は,678人,懇親会の参加者は356人,という大勢であった.講演(「この40年間,社会心理学に進歩はあったか-では,これからの40年は?」)と公開シンポジウム(「21世紀における社会心理学のパラダイム」)からは特に貴重な示唆が与えられた.