- 著者
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戸塚 唯氏
早川 昌範
深田 博己
- 出版者
- The Japanese Group Dynamics Association
- 雑誌
- 実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.1, pp.26-36, 2001-12-25 (Released:2010-06-04)
- 参考文献数
- 16
防護動機理論 (protection motivation theory: PMT) とはRogers (1983) によって提唱された脅威アピールの説得効果を説明するための理論である。本研究の目的はPMTに基づいて, 環境ホルモン (擬似エストロゲン物質) の対処行動意図を促進, あるいは抑制する要因を検討することであった。独立変数は, 脅威 (高・低), 反応効果性 (高・低), 反応コスト (高・低), 性 (男性・女性) であり, 400人の被験者 (男性200人, 女性200人) を16条件のうちの1つに割り当てた。その後被験者に説得メッセージを呈示し, さらに質問紙に回答させた。分散分析の結果, 脅威と効果性, 性の主効果が見いだされ, 脅威や効果性が大きいほど, また男性よりも女性の方が, 環境ホルモン対処行動意図が大きいことが明らかとなった。次に実験的検討を補うために, PMT認知要因 (深刻さ, 生起確率, 効果性, コスト, 自己効力, 内的報酬), 性, 恐怖感情を順に説明変数に投入する階層的重回帰分析を行った。その結果, コストを除いたPMT要因と性, および恐怖感情が環境ホルモン対処行動意図に影響を与えていることが明らかとなった。