著者
下岡 和也 徳久 良子 吉村 貴克 星野 博之 渡部 生聖
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.3-47, 2017-02-15 (Released:2017-05-15)
参考文献数
56
被引用文献数
2 8

高齢者の認知症や孤独感の軽減に貢献できる対話ロボット開発のため,回想法に基づく傾聴を行う音声対話システムの開発を行った.本システムは,ユーザ発話の音声認識結果に基づき,相槌をうったり,ユーザ発話を繰り返したり,ユーザ発話中の述語の不足格を尋ねたりする応答を生成する.さらに,感情推定結果に基づき,ユーザ発話に対して共感する応答を生成する.本システムの特徴は,音声認識結果に誤りが含まれることを前提とし,音声認識信頼度を考慮して応答を生成する点である.110 名の一般被験者に対する評価実験の結果,「印象深い旅行」を話題とした場合で,45.5% の被験者が 2 分以上対話を継続できた.また,システムの応答を主観的に評価した結果,約 77% のユーザ発話に対して対話を破綻させることなく応答生成ができた.さらに,被験者へのアンケートの結果,特に高齢の被験者から肯定的な主観評価結果が得られた.
著者
星野 博之
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.265-274, 2006-03-01
被引用文献数
8

見通しの悪い交差点などで接近車両を走行音により検知するドライバ支援システムについて述べる。2本のマイクロホンから入力される走行音の信号処理により接近車両の検知と方位推定を行う手法の検討を行い,車載実験システムを作成して実際の交通状況においてシステムの評価実験を行った。結果として,車両接近の検知は95〜100%可能であるが,周囲騒音の大きい場所での誤検出を考慮することや,方位推定精度の向上のためには信号処理やマイク位置により自車ノイズの影響を少なくすることが必要であることが分かった。また,車両接近をドライバヘ伝える場合,車両接近音のレベル変化を模擬した音が適することが分かった。