著者
堀野 あゆみ 時井 真紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp.1-3, 2014-07-26

妖怪は日本人に親しみがある存在である.その妖怪を取り巻く背景として,歴史,地理,風習,宗教観等を学ぶことで,日本の文化を知り,異文化理解に貢献できるのではないかと考えた.そこで,情報学の観点から,「日本の文化を新しい形で発信する」 ことを目的に拡張現実感 (Augmented Reality: AR) 技術を用いた複数人で学ぶシステムを提案する.妖怪を案内人として,日本を旅するシステムを通して,学校教育で学んだ知識を体系立てて学び直し,日本の文化への興味関心を促進させる.Japanese have been familiar with Yo-Kai. There are some researches about Yo-kai in historiography, geography, folklore and so on. We think that learning about Yo-kai helps to understand Japanese culture, leading to the cross-cultural understanding. From the point of view of Informatics, we suggest the system using Augmented Reality (AR) to learn Japanese culture by a small group. In the system users travel around Japan as they pursuit Yo-Kai. They relearn the knowledge that they have already studied at school from the various aspects, which, we expect, makes them interested in Japanese culture.
著者
時井 真
出版者
情報ネットワーク法学会
雑誌
情報ネットワーク・ローレビュー (ISSN:24350303)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.153-166, 2020-12-20 (Released:2020-12-25)

特許進歩性の判断においては、①主引用例を提出し請求項発明と主引用例の間の相違点を認定した上で(第一ステップ)、次いで②当業者が請求項発明を容易に想到することができたかという手順を経る(第二ステップ)。現在、ITや検索エンジンの進展により急速に引用例検索技術が進展して第一ステップの難度が下がり、その結果、相対的に第二ステップの判断の重要性が増している。本稿の第一の目的は、第二ステップの判断の主役の一つである「示唆」の概念の現況を、直近の裁判例から明らかにすることにある。その結果、日本の裁判例では、従来技術に主引用例と副引用例を結びつけ請求項発明を想到する動機付けとなる示唆以外に、逆に引用例と副引用例との結びつきを妨げ、動機付けを否定する逆示唆の裁判例が多数存在することが判明した。最後に補論としてこの第二ステップ(示唆及び逆示唆)と情報ネットワーク社会との関係についても若干考察した。
著者
早野 瑞季 時井 真紀
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.545-546, 2020-02-20

美術鑑賞において、鑑賞経験の少ない初心者は博物館リテラシーが不足していることが問題とされている。この背景をふまえて、絵画作品の注目すべき鑑賞ポイントを探る力、作品を関連付けて鑑賞する力が必要であると考えた。そこで本研究の目的は、視点の広がりをもって鑑賞することができる浮世絵を題材とし、Kinectを用いた体験型の浮世絵鑑賞を行うことである。システムでは、作品の鑑賞ポイントや複数の作品間のつながりを提示することで鑑賞体験を印象付けてユーザーの鑑賞視点を広げ、その後の積極的な美術鑑賞の支援を目指した。このシステムを用いた実験を行い、被験者の作品の理解と探究的学習への効果を調査した。
著者
磯康彦 時井真紀
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.869-871, 2014-03-11

現在公開されている数学学習用の電子教材には面白みや参加的要素が弱いといった問題点がある。そこで、この問題を解決するためにAR(拡張現実感)を使ったゲームブック型の学習教材を作成した。ゲーム性やストーリ性により面白みを、数学の問題を出し解答させることで参加的要素を与え、学習意欲を高めることができた。さらに、問題の解答により物語を分岐させることと、ARで情報を段階的に付与することで、個々人の能力に応じた学習ができた。