著者
岩崎 信 長谷川 晃 最上 忠雄 藤原 充啓 三石 大
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

本研究では,東北大学工学部量子科学館加速器を大型実験装置の例として,高度にITを活用した高校生向きの科学実践型課外授業を開発し,SSH高校生に最適なプログラムのモデル:ブレンディングモデルを開発実践した.大型実験装置現場での授業:実地授業を中心として,導入学習としての事前eラーニング遠隔授業,締めくくりの学習としての事後遠隔リアルタイム授業の3部構成を開発し実践で検証した.授業の目標は、体験目標:加速器の運転、ビーム照射、物質の変化体験.向上目標:学んだ(学ぶ)知識の総合的運用,『エネルギー』と『物質』(原子・イオン)の2つのキー概念で理解.先端的な装置の研究や実用の活用について体験的に理解.達成目標:用いるイオン加速器のシステムとしての構造や構成を理解し加速器を運転することで身体的に獲得する.17年度は埼玉県SSH2年生〜20人、18年度は山口県SSH3年生2人加えて実施された。事前,実地は東北大学のオープンキャンパスを含む夏休み時期に独立に,事後は合同で11月下旬にJGN2を利用して実施した.生徒達の高い加速器概念獲得状況の確認と、アンケート調査等により良好な評価を得た。キーは,生徒たちにとって難解な加速器を"分かる"状態に導くことと、同時にある種"分からない"状態も作り,好奇心,探索心を誘起させ,努力する気持ちを惹起させること.つまり、既習知識の活用の場面と新知識獲得への挑戦的文脈を実践的に用意した.大型装置は存在感があるが,それを生徒達が理解し,運転し,使い,関連する多様な生起現象を思考する身体的実験環境は,科学的論理的思考の基礎となる対象の科学的認識モデル形成を自然に促進する.大学の大型実験装置,教員,院生,それらの活動や思考や説明との接触は,"異文化"との濃厚な接触であり,将来の創造性,独創性発揮(直観や洞察)によい影響を与えると確信する.
著者
最上 忠雄 山崎 浩道 松山 成男 石井 慶造
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

加速器と言われる装置で発生される粒子線は、放射線と呼ばれるもので、この放射線を知ることは原子などミクロな世界の現象を知ることであり、しかも社会で非常に役に立っていることはあまり知られていません。ミクロな世界の現象の理解を通した大学院生や大学生による子供たちのための理科教育の中でも放射線を題材とした、寸劇「放射線裁判:怪盗Xの巻」を通じて、皆様が最先端の科学技術に興味をもつきっかけとなってくれることを期待している。対象は、宮城県内の小学生・中学生とし、学校訪問による出張公演を行う。一般に、文科系向きの人も理科系向きの人も共に興味を抱くことができる科学技術は少ない。PIXE(ピクシー)法は、加速器と言われる装置を用いて粒子線を発生させ加速して、それを試料に当て、微量の元素を分析する方法で、考古学試料、食品・飲料水、血液、河川水など何でも高感度で分析できる方法であり、しかも、非破壊なので指輪・ネックレスなど貴重な試料の分析も行えるので、文科系向きの人も理科系向きの人も共に興味を抱くことができる科学技術です。この対象は、オープンキャンパスの期間中、東北大学ダイナミトロン加速器(公開実験)を用いて、高校生・一般とするが特に、「中学生コーナー」を設定した。1.出前授業(演劇)平成16年度 「放射線裁判:怪盗Xの巻」実施校 中学校 4校(10クラス) 実施回数 7回 総参加者数 274名平成17年度 「放射線裁判:怪盗Xの巻」実施校 中学校 2校(4クラス) 実施回数 4回 総参加者数 147名2.オープンキャンパス(公開実験)「中学生コーナー」平成17年 7月28日(木) 志津川町立志津川中学校 3年1名 2年6名男子5名 女子2名 合計7名村田町立村田第二中学校 3年4名 2年2名男子4名 女子2名 合計6名