著者
石井 慶造
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.67-73, 2018-02-15 (Released:2018-02-15)
参考文献数
6
被引用文献数
2

漁市場及び農産物市場では,多量の魚介類及び農作物が出荷される。これらの出荷物が放射性Csで汚染されているかどうか,非破壊で多量に検査できる装置を開発した。本装置は,ベルトコンベヤーのベルトの下に,1直線に並べられた120個のγ線検出器を置き,ベルトの上に食品を載せベルトを移動させながら放射線を計測することにより,食品の放射性Csの比放射能及び汚染分布を求めている。20 cm位の魚の場合,1時間に2000匹以上検査することができる。本装置は,石巻市,女川町,北茨城市の魚市場で,丸森町ではタケノコ汚染検査場で,及び白石市ではみやぎ仙南農業協同組合白石農機センターで稼働しており,食の安全・安心に貢献している。
著者
藤代 史 石﨑 梓 新井 宏受 長田 直之 石井 慶造 菅原 弘治 松根 寿
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

福島第一原子力発電所事故により、福島県内で稲作の作付規制が行われている。水田土壌は耕起が年単位で行われないと稲作のための土壌としての役割を果たせなくなるため、一刻も早い放射能除染が望まれている。本研究では、耕起する土壌の深さを変えて試験作付を行い、未除染土壌での稲への放射能移行を調査した。
著者
最上 忠雄 山崎 浩道 松山 成男 石井 慶造
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

加速器と言われる装置で発生される粒子線は、放射線と呼ばれるもので、この放射線を知ることは原子などミクロな世界の現象を知ることであり、しかも社会で非常に役に立っていることはあまり知られていません。ミクロな世界の現象の理解を通した大学院生や大学生による子供たちのための理科教育の中でも放射線を題材とした、寸劇「放射線裁判:怪盗Xの巻」を通じて、皆様が最先端の科学技術に興味をもつきっかけとなってくれることを期待している。対象は、宮城県内の小学生・中学生とし、学校訪問による出張公演を行う。一般に、文科系向きの人も理科系向きの人も共に興味を抱くことができる科学技術は少ない。PIXE(ピクシー)法は、加速器と言われる装置を用いて粒子線を発生させ加速して、それを試料に当て、微量の元素を分析する方法で、考古学試料、食品・飲料水、血液、河川水など何でも高感度で分析できる方法であり、しかも、非破壊なので指輪・ネックレスなど貴重な試料の分析も行えるので、文科系向きの人も理科系向きの人も共に興味を抱くことができる科学技術です。この対象は、オープンキャンパスの期間中、東北大学ダイナミトロン加速器(公開実験)を用いて、高校生・一般とするが特に、「中学生コーナー」を設定した。1.出前授業(演劇)平成16年度 「放射線裁判:怪盗Xの巻」実施校 中学校 4校(10クラス) 実施回数 7回 総参加者数 274名平成17年度 「放射線裁判:怪盗Xの巻」実施校 中学校 2校(4クラス) 実施回数 4回 総参加者数 147名2.オープンキャンパス(公開実験)「中学生コーナー」平成17年 7月28日(木) 志津川町立志津川中学校 3年1名 2年6名男子5名 女子2名 合計7名村田町立村田第二中学校 3年4名 2年2名男子4名 女子2名 合計6名
著者
寺川 貴樹 石井 慶造 古本 祥三 菊池 洋平 松山 成男 酒見 泰寛 山崎 浩道
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

陽子線治療と腫瘍血流遮断剤を併用する新規治療法の開発を目的とし,マウス固形腫瘍による治療実験を実施した.本研究の高精度照射のために、マイクロパターンガス検出器による新規ビームモニターの開発に成功し治療実験に用いた。治療効果を[18F]FDGと[18F]FMISOを用いた超高分解能PETと、腫瘍増殖遅延測定から評価した。その結果、単回併用治療において、腫瘍増殖遅延に相加的効果があるだけでなく、腫瘍中心部の広範囲に細胞死が誘発されたが、腫瘍の辺縁部に低酸素状態を含む腫瘍細胞の生存領域が認められた。よって、単回治療後の2回目の併用治療が腫瘍細胞を完全に死滅されるために必要であることが示唆された。
著者
石井 慶造 松山 成男 山崎 浩道
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本研究では、超微量元素分析法であるPIXE法を教材にした理科教育、および「裁判形式」を通した理科教育を検討した。IT理科教育を目指して、これらの研究成果に基づいたホームページを作成し、公開した。中・高校生に対して以下の教育効果が得られた。平成14年7月30日、31日に開催された「東北大学工学部オープンキャンパス」に参加した中・高生および一般人を対象に、PIXE公開実験を行なった(参加者総数は39名)。実験後アンケートを採り、放射線の利用については約50%は不安を感じていたが、PIXE分析公開実験に参加した後は、70%が「放射線は役立つのでその利用をもっと進めるべきだ」の意見に変わった。PIXE法は一般に良く受け入れられる放射線理解のための教材であることが示された。放射線科学を大学生による演劇を通して、その理解を試みた。演劇の中では、放射線を被告人にしたてあげ、裁判を行い、検事と弁護士および被告人とのやり取りから、放射線を理解する方法を考えた。演劇授業は、平成14年7月〜平成15年1月の間に計4回(総人数309名)行い、それぞれ、終了後にアンケート調査し、その効果を調べた。アンケート調査結果は、参加者の94%が「楽しかった」、92%がPIXEに興味を持った、78%がこの劇を通して放射線についての理解が得られた、98%が放射線に興味を持った、と回答した。このように、裁判形式の演劇授業による放射線理科教育の有効性が見られた。また、どの中学校も、大学生とのふれあう機会が欲しいとの要望が90%以上あり、今後は、下記のIT理科教育とともに、この学生の要望を視点にした出前演劇授業による理科教育も行うことにした。上記、催しの収録をもとにホームページを作成した。講義内容は、「ピクシー先生による理科教育」と題し、「放射線裁判」の劇を通して、放射線およびPIXE法について理解するとともに、実際にPIXE実験に参加も受け付けるものである。(http://pixe.qse.tohoku.ac.jp/pixe-geki/index)