著者
有賀 健高
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.28(第28回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.223-226, 2014 (Released:2014-12-03)
参考文献数
7

本研究では,風評被害の払拭には福島原子力発電所近辺を産地とする食品に対する消費者意識を把握することが重要であるという立場から,主に消費者の環境意識が,発電所近辺を産地とする食品購入に与える影響について検証した。アンケート調査によって得られたデータの分析から,環境意識の高い消費者ほど原発近辺を産地とする食品に対する購入意欲があることが示された。また環境意識以外の分析から,食品中の放射性物質の規格基準への信頼,高年齢,男性といった要素は購入意欲に正の影響があることがわかった。一方,高所得,高学歴,子供が多い,居住地が原発から離れているといった要素は購入意欲に負の影響を与えることが明らかとなった。
著者
有賀 健高
出版者
石川県立大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

福島県での生産量が多い農林水産物及び水の計10品目に関して、日本全国の約8700人の消費者を対象にアンケートを実施し、福島第一原子力発電所事故後の風評被害の実態について探った。アンケートデータを分析した結果、放射線に関する知識がなく、原発から遠方に住むため普段原発近辺の食品をあまり目にしない消費者ほど原発近辺の食品を買うのを避ける傾向があり、こういった消費者は風評に影響されやすい可能性が示唆された。一方、放射線の危険性についての知識があり、風評ではなく自分の判断に基づいて購買を回避している消費者の場合は、風評ではなく実害もあるという考えから購買を回避している面もあることが明らかとなった。
著者
有賀 健高
出版者
石川県公立大学法人 石川県立大学
雑誌
石川県立大学年報 : 生産・環境・食品 : バイオテクノロジーを基礎として (ISSN:18819605)
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.28-33, 2016 (Released:2016-12-28)

There is no agreement among researchers on whether the world population can continue to increase when its effect on the environment is considered. In this paper, I reviewed the views of the neo-Malthusians who are pessimistic about the influences of the population growth on the environment and the revisionists those are optimistic about this problem to find out the reasons and backgrounds for their different positions. The results of the review indicated that the difference between the neo-Malthusians and revisionists is ascribed to the distinctions in their view toward nature. Neo-Malthusians evaluate effects of population increase on the environment from a nature-oriented view such that nature cannot be controlled by humans while revisionists grasp environmental problems related to population increase from a human-oriented view where they believe nature can be ruled by humans.