- 著者
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有賀 義明
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
- 巻号頁・発行日
- vol.65, no.1, pp.688-696, 2009 (Released:2011-04-30)
- 参考文献数
- 12
近い将来,東海地震,東南海·南海地震,首都圏直下地震等の発生が想定されている.これらの地震が想定されている本州太平洋側には,東京,横浜,名古屋,大阪などの大都市が分布しており,地下街,地下鉄等の利用が行われている.地下空間の基本特性は隔離性であり,この基本的特性から様々なメリットとデメリットが派生すると考えられる.人間の活動空間として地下を利用する場合,平時には問題が表面化することはないが,災害時には,空気,光,水,火,煙,有毒ガス等,人間の生命を脅かす危険要因が顕在化することが想定される.このような点を踏まえ,本研究では,人間の活動空間として地下空間を利用する場合を前提として,大都市の地下空間に要求される耐震性能を提案するとともに地震防災対策について考察した.