著者
有賀 義明 石川 嵩 猪子 敬之介 大嶽 公康 成田 健太郎 竹原 和夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_491-I_500, 2013 (Released:2013-06-19)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

複数の構造物が管路で連結された施設では,個々の構造物の地震時挙動が異なる場合,それらの連結部で地震時応力や相対変位が増大し,損傷・破壊が発生しやすくなることが想定される.本研究では,地震時挙動が異なる構造物によって構成される複合構造物の耐震性能照査の精度・信頼性の向上を目的として,形状が異なる新・旧のポンプ場が管路で連結されている場合を設定し,三次元動的解析により構造物の地震時挙動について検討した.その結果,新・旧のポンプ場は互いに離れたり近づいたりして挙動することから地震時には相対変位が発生し,その相対変位量はポンプ場の基礎地盤が軟質になると増大する等の結果を得た.
著者
有賀 義明 藤縄 幸雄 川上 則明 大角 恒雄 西野 哉誉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.45, 2005

大地震時のダムの安全管理は, 大変重要な技術事項である. 我が国では, 兵庫県南部地震以降, 文部科学省, 防災科学技術研究所, 気象庁等の地震観測網が高密度に整備され, 地震発生時に震源から少し離れた地点では, 地震動が到達する前に緊急地震速報を受信することが可能になりつつある. また, 数値解析技術の進歩に伴い, 地盤-構造物系の三次元動的解析を高精度で行えるようになっている. こうした背景から, 本研究では, 既設ダム等の安全管理の効率化, 地震防災性能の向上等に役立てるために, 三次元動的解析技術と緊急地震速報を有機的に連携させることによって大地震時の既設ダムの安全性を即時的に評価する手法を開発した.
著者
有賀 義明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.688-696, 2009 (Released:2011-04-30)
参考文献数
12

近い将来,東海地震,東南海·南海地震,首都圏直下地震等の発生が想定されている.これらの地震が想定されている本州太平洋側には,東京,横浜,名古屋,大阪などの大都市が分布しており,地下街,地下鉄等の利用が行われている.地下空間の基本特性は隔離性であり,この基本的特性から様々なメリットとデメリットが派生すると考えられる.人間の活動空間として地下を利用する場合,平時には問題が表面化することはないが,災害時には,空気,光,水,火,煙,有毒ガス等,人間の生命を脅かす危険要因が顕在化することが想定される.このような点を踏まえ,本研究では,人間の活動空間として地下空間を利用する場合を前提として,大都市の地下空間に要求される耐震性能を提案するとともに地震防災対策について考察した.