著者
織田 充 南 俊朗 有馬 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.98, no.437, pp.33-40, 1998-12-01
被引用文献数
3

Web文書検索において, 自分の求めている文書を指定するのに適したキーワードを思いつけないことがある.そのような利用者に対して, 利用者達による過去の検索履歴を用い, 利用者の検索意図との関連が高いと推定されるキーワード(群)を指示することで, 利用者は候補の中から自分の意図に近いものを選ぶだけで検索を進められる.本発表では利用者の検索発想力を高めるための支援を行うSASSシステム(Searching Assistant with Social Selection)の設計思想及び概要を述べる.システムは, 蓄積された検索キーワード列を基に, 現在の状況との関連度を計算し, それに基づき推薦を行う.情報の提供者ではなく利用者による実績に基づく点が本方式の特徴である.
著者
有馬 淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.887-896, 1992-07-15
参考文献数
13
被引用文献数
7

2つの事柄がある共通の性質(S:類似性)を有している時 一方(B:ベース)の持つ性質(P:投射性)を他方(T:ターゲット)も持つと推定する類推について考察する本研究では類推の論理的な分析が行われ その結果に基づき 与えられた公理Aのもとで類推要素T B S P が満たすべき例証的基準と呼ぶ論理的関係が示される.ここで例証的基準は以下の2つの前提から得られる:"類推はベースが満たす何らかの性質をターゲットに対し投射することによってその推論が行われる一般的に非演繹的な推論である" "ターゲットは特殊な個体ではない"類推研究では 1)"あるターゲットに対し何をベースとするか"2)"どの性質をもって類似性というか"3)"ある類似性に対してどのような性質が投射されうるか"が長い間 本質的な問いであり続けている例証的基準は これら1) 2) 3)の問題に対する1つの解答になっており 類推研究の1つの一般的な足掛りとなることが期待されるまた この基準に関して これまでの研究のいくつかが実際にこの基準を満たしていることが示されるとともに 従来類推と独立に研究されてきた仮説推論 アブタクション EBG とも密接な関連があることが記される