21 0 0 0 OA 「自殺」を是認する仏教の立場 : 「人間の尊厳」の具現と安楽死問題
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 日本生命倫理学会
- 雑誌
- 生命倫理 (ISSN:13434063)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.1, pp.158-165, 2008-09-21 (Released:2017-04-27)
- 参考文献数
- 23
仏教は不殺生を基本理念としている。けれども、既に釈尊の時代から、仏教の立場において人が自らの死を選択する行為を是認してきた事例も存在する。それらの例を検討すると、そこには次のような条件が存在することが窺われる。すなわち、自己の死の選択が周囲の人々に承認された上で、以下の3つの事情のいずれかに該当することである。具体的には、(1)死期を目前にした者が、この世で為すべきことを為し終えたと自覚している場合、(2)自らの生命を犠牲にしても他者を救おうとする場合、(3)人生の目標の実現のために、自己の全存在を賭ける場合である。しかも、このような場面における「死」の覚悟と選択は、いずれも仏教的な意味における「人間の尊厳」を具現化するための有効な行為とみなし得るものである。本稿では、仏教が無条件の「生命至上主義」を主張するものではないことを論ずるとともに、そのような立場から、安楽死が是認され得る条件についての提言を行うことにしたい。
3 0 0 0 OA 世代交替を迎えるインドネシア仏教界 : アシン・ジナラッキタ師の葬儀に参列して
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 愛知学院大学
- 雑誌
- 禅研究所紀要 (ISSN:02859068)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, pp.139-162, 2003-03-31
2 0 0 0 OA ラーマーヌジャにおける明知の生起と発展
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- JAPANESE ASSOCIATION OF INDIAN AND BUDDHIST STUDIES
- 雑誌
- 印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.2, pp.957-953, 1999-03-20 (Released:2010-03-09)
1 0 0 0 現代日本における「宗教」の意味
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 愛知学院大学文学会
- 雑誌
- 愛知学院大学文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Letters of Aichi Gakuin University : 愛知学院大学論叢 (ISSN:02858940)
- 巻号頁・発行日
- no.44, pp.274-266, 2014
1 0 0 0 ヴェーダーンタ学派におけるバクテイの受容
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 日本南アジア学会
- 雑誌
- 南アジア研究 (ISSN:09155643)
- 巻号頁・発行日
- vol.1996, no.8, pp.1-26, 1996
1 0 0 0 OA 駿河国宇津ノ谷峠の地蔵伝説 : 「素麺地蔵」の食人鬼退治を中心として
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 愛知学院大学
- 雑誌
- 禅研究所紀要 (ISSN:02859068)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, pp.95-132, 2004-03-31
1 0 0 0 現代インドネシアの仏教信仰
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 日本仏教学会西部事務所
- 雑誌
- 日本仏教学会年報 (ISSN:09103287)
- 巻号頁・発行日
- no.67, pp.181-193, 2001
1 0 0 0 インドネシアの仏教復興とその現状
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 愛知学院大学短期大学部学術研究会
- 雑誌
- 愛知学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:13455753)
- 巻号頁・発行日
- no.8, pp.216-246, 2000-03
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 愛知学院大学
- 雑誌
- 禅研究所紀要 (ISSN:02859068)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, pp.91-131, 2000-03-31
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 日本宗教学会
- 雑誌
- 宗教研究 (ISSN:03873293)
- 巻号頁・発行日
- vol.81, no.4, pp.1242-1243, 2008-03-30
- 著者
- 木村 文輝
- 出版者
- 日本生命倫理学会
- 雑誌
- 生命倫理 (ISSN:13434063)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.1, pp.158-165, 2008-09-21
仏教は不殺生を基本理念としている。けれども、既に釈尊の時代から、仏教の立場において人が自らの死を選択する行為を是認してきた事例も存在する。それらの例を検討すると、そこには次のような条件が存在することが窺われる。すなわち、自己の死の選択が周囲の人々に承認された上で、以下の3つの事情のいずれかに該当することである。具体的には、(1)死期を目前にした者が、この世で為すべきことを為し終えたと自覚している場合、(2)自らの生命を犠牲にしても他者を救おうとする場合、(3)人生の目標の実現のために、自己の全存在を賭ける場合である。しかも、このような場面における「死」の覚悟と選択は、いずれも仏教的な意味における「人間の尊厳」を具現化するための有効な行為とみなし得るものである。本稿では、仏教が無条件の「生命至上主義」を主張するものではないことを論ずるとともに、そのような立場から、安楽死が是認され得る条件についての提言を行うことにしたい。