著者
田辺 智子 山城 賢 島田 剛気 横田 雅紀 木梨 行宏 橋本 典明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_1000-I_1005, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
6

有明海は,高潮の危険性が高い海域の一つであり,さらに将来的には温暖化による高潮リスクの増大が懸念されていることから,特に背後に低平地を有する湾奥部の沿岸では,高潮・高波に対する防災対策が重要である.本研究では有明海湾奥部の沿岸防災に資する知見を得ることを目的に,海岸堤防に沿った複数の地点で潮位観測を実施し,湾奥部の高潮の増幅特性等について検討した.加えて,非構造格子モデルFVCOMを用いて観測期間に来襲した台風1216号について高潮推算を行い,湾奥部の高潮増幅率をより詳細に検討した.台風1216号のように有明海の西側を台風が北上すると,湾奥部で高潮が大きく増幅される場合があることが,潮位観測および高潮推算結果より具体的に示された.