著者
田辺 智子
出版者
特定非営利活動法人 日本評価学会
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.3-18, 2016-11-17 (Released:2023-06-01)
参考文献数
53

日本において、エビデンスに基づくがん検診がなぜ実現しにくい状況となっているかについて、政治学で発展したアイディア理論を用いて分析を行った。日本のがん検診は世界的に見ても早い時期に導入されたが、その後、死亡率減少のエビデンスがあるがん検診を行うべきという新たなアイディアが海外から輸入され、既存のがん検診を見直す政策変容が進められた。分析の結果、この政策変容が不徹底となっており、エビデンスが確立したがん検診に加え、エビデンスが不十分ながん検診が広く実施されている状況が明らかとなった。 その原因としては、死亡率減少という観点で有効性を評価すべきというアイディアが市町村レベルでは十分受容されていないこと、過去の政策が次の政策選択に影響を与える政策遺産が存在することが挙げられ、政策決定は必ずしもエビデンスのみに基づいて行われるわけではないという現実が浮き彫りとなった。 今後も、他の政策分野を含め、エビデンスに基づく政策を阻害する要因について、さらなる分析が求められる。
著者
田辺 智子 山城 賢 島田 剛気 横田 雅紀 橋本 典明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_421-I_425, 2013 (Released:2013-11-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Recently, due to global warming, there are growing concerns about possible tremendous storm surge disasters which might be caused by furious typhoons more than ever. Actually, however, even in the present climate conditions, there were some typhoons which might be able to cause severe disasters if it were in the worst case scenario, for example typhoon 1216. Fortunately, the typhoon 1216 didn't cause serious damage in the Ariake Sea since its track was away from Kyushu district. In this paper, we conducted several storm surge simulations with the parameters of the typhoon 1216 by assuming several different typhoon tracks including the worst track. The results show that the maximum storm tide would exceed the existing disaster prevention plan even in the present climate conditions if it had passed in the worst track.
著者
田辺 智子 山城 賢 島田 剛気 横田 雅紀 木梨 行宏 橋本 典明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_1000-I_1005, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
6

有明海は,高潮の危険性が高い海域の一つであり,さらに将来的には温暖化による高潮リスクの増大が懸念されていることから,特に背後に低平地を有する湾奥部の沿岸では,高潮・高波に対する防災対策が重要である.本研究では有明海湾奥部の沿岸防災に資する知見を得ることを目的に,海岸堤防に沿った複数の地点で潮位観測を実施し,湾奥部の高潮の増幅特性等について検討した.加えて,非構造格子モデルFVCOMを用いて観測期間に来襲した台風1216号について高潮推算を行い,湾奥部の高潮増幅率をより詳細に検討した.台風1216号のように有明海の西側を台風が北上すると,湾奥部で高潮が大きく増幅される場合があることが,潮位観測および高潮推算結果より具体的に示された.
著者
白須 敞夫 森崎 直木 土方 浩美 塚本 創一郎 佐藤 悠吉 田辺 智子 奥村 典子 貞光 俊二 市毛 彰 市瀬 武彦
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.538-539, 1972-07-25

東京女子医科大学学会第38回総会 昭和47年10月1日 東京女子医科大学本部講堂