著者
松田 憲亮 本間 和也 吉住 浩平 永井 良治 中原 雅美 金子 秀雄
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.81-85, 2012 (Released:2012-02-21)
参考文献数
21
被引用文献数
2

〔目的〕皮膚冷却刺激下での中殿筋低負荷トレーニング効果と筋活動変化を検討することである.〔対象〕健常成人男性32名を対象とした.〔方法〕対照群と皮膚冷却群に分け,低負荷での股関節外転運動からなるトレーニングを6週間実施した.隔週で等尺性股関節外転最大筋力と中殿筋の表面筋電図を測定した.皮膚冷却群では最大随意収縮時および最大随意収縮時を基準としてその30%の負荷量時の積分値と平均周波数を測定し,トレーニング開始時を100%として正規化し比較した.また,冷却部位の皮下組織厚,皮膚表面,深部組織温度を計測した.〔結果〕等尺性最大筋力は皮膚冷却群で4~6週後有意に増加した.筋積分値は6週後,有意に増加したが,平均周波数の変化は認められなかった.〔結語〕皮膚冷却刺激下での中殿筋低負荷トレーニングでは,有意な筋力増強効果が認められた.筋力増強には皮膚冷却刺激による運動単位動員の促進とtype I線維における筋活動特異性や運動強度が反映されていることが示唆され,type II線維の活動増加については判別できなかった.