著者
朱 心茹 高田 裕美 影浦 峡
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.3_51-3_60, 2020-01-31 (Released:2020-02-25)
参考文献数
91

本研究では、発達性ディスレクシア等の学習障害に由来する読み書き困難にも配慮した書体として開発されたUD デジタル教科書体の新しい付属欧文書体が読みに与える影響を明らかにすることを目的に、読みやすさの客観的指標に関する実証実験と主観的指標に関する調査を行った。発達性ディスレクシアを持つ読者16名と発達性ディスレクシアを持たない読者19 名が研究に参加した。実証実験と調査の結果、発達性ディスレクシアを持つ読者にとってUD デジタル教科書体の新しい付属欧文書体が他の教科書体付属欧文書体及び一般的に使用されている欧文書体と比較してより読みやすいことが明らかになった。また、書体は読みやすさの客観的指標と主観的指標の双方に一定の影響を与えることが明らかになった。これらの結果から、発達性ディスレクシアに特化した書体の有用性が示された。
著者
朱 心茹
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.4, pp.1-9, 2016-06-25

発達性ディスレクシアに対する支援には様々なものがある.欧米ではディスレクシアに特化した書体が開発されており,それらの書体がディスレクシアの人々にとってより読みやすいことが示されている.日本においても,書体がディスレクシアの人々の読みに影響を与えることが明らかになったが,ディスレクシアに特化した書体は制作されていない.本研究は,ディスレクシアに特化した和文書体をデザインするため,ディスレクシアに特化した欧文書体の読みやすさに関する特徴を整理することを目的とする.研究対象に選定した 3 つのディスレクシア書体と 6 つの一般書体に対する数値的な計測と視覚的な分析を通してディスレクシアに特化した欧文書体の可読性に関する特徴と視認性に関する特徴を抽出した.
著者
朱 心茹 影浦 峡
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.333-334, 2020-02-20

発達性ディスレクシアは、読字や書字に特異的な困難が見られる学習障害である。ディスレクシアの症状は実に多様であるため、個々人に最適化された支援方法が必要となる。筆者らはこれまでの研究において、特別にデザインされた書体が有用なディスレクシア支援となる可能性を模索した。その結果、適切にデザインされた書体はディスレクシアを持つ児童と成人の読みに良い影響を与えることが明らかになった一方で、その影響の種類や度合いは個々人によって差があることが示された。この結果は、共通の特徴をベースとしつつも個々人にとって最も有効な特徴を書体に付与するようなカスタマイズシステムの必要性を示唆するものである。本研究ではカスタマイズシステム開発への第一歩として、これまでに構想・開発された主要な書体カスタマイズシステムをレビューし、ディスレクシアに特化した和文書体カスタマイズシステムの枠組みを示す。
著者
朱 心茹 高田 裕美 影浦 峡
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.3_51-3_60, 2020

本研究では、発達性ディスレクシア等の学習障害に由来する読み書き困難にも配慮した書体として開発されたUD デジタル教科書体の新しい付属欧文書体が読みに与える影響を明らかにすることを目的に、読みやすさの客観的指標に関する実証実験と主観的指標に関する調査を行った。発達性ディスレクシアを持つ読者16名と発達性ディスレクシアを持たない読者19 名が研究に参加した。<br>実証実験と調査の結果、発達性ディスレクシアを持つ読者にとってUD デジタル教科書体の新しい付属欧文書体が他の教科書体付属欧文書体及び一般的に使用されている欧文書体と比較してより読みやすいことが明らかになった。また、書体は読みやすさの客観的指標と主観的指標の双方に一定の影響を与えることが明らかになった。これらの結果から、発達性ディスレクシアに特化した書体の有用性が示された。