著者
新井 庭子 分寺 杏介 松崎 拓也 影浦 峡
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2017-CH-114, no.5, pp.1-8, 2017-05-06

テキストの難しさの研究として,既存の研究ではテキストか人間の認知の仕組みかどちらかしか研究対象にされてこなかった.本研究は,この 2 つの視点の両方を持ちつつ,主に知識構成を支える言語表現の形式に焦点を当て,小 ・ 中の理科教科書を材料にこの問題への接近を試みる.我々は,読みを困難にするテキストのパラメーターを予測し,小 ・ 中教科書テキストの間にそのパラメーターで表現できるギャップがあることを示したが,その研究はまた,表層的な特徴に加え,質的な観点から言語表現を検討する必要性を示した.本研究では,質的な関連から言語表現を特徴付けるカテゴリーとして,定義表現と分類の表現に着目し,計量的な分析を行った.
著者
辻 慶太 芳鐘 冬樹 松本 直樹 影浦 峡
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.166-179, 2008-09-01

司書資格は取得者にどのような仕事をもたらしたか,満足をもたらしたのか,を明らかにする為,司書資格を取得(して/しないで)図書館に勤務(したことがない/している)者,及び資格取得を目指して(いる/いない)大学生,の6グループにインターネット調査を行った。回答者は1,829人で,資格を取得し図書館員にならなかった者には非正規職員が多く,現状に満足しておらず,年収は一般人より低いことが示された。資格を持つ図書館員には専門的業務に従事する者が多く,年収は低いが非常に満足していることも示された。
著者
海野 敏 影浦 峡 戸田 愼一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.1-17, 2012-03-31 (Released:2017-04-30)

本稿の目的は,戦後日本における印刷メディア受容量変化の数量的分析である。分析には,販売ルート経由の図書,雑誌,新聞の受容量,図書館ルート経由の受容量,経済動向の5変数からなるモデルを用いた。具体的には,国民1人当たりの図書,雑誌の実売部数,新聞の発行部数,公共図書館の館外貸出数と,実質経済成長率を分析した。この5つの時系列データに対し,同時変化関係の指標として相関係数を求め,先行遅行関係の指標としてグレンジャー因果性検定を行った。分析の結果,以下の結論が得られた。第1に,販売ルート経由の受容量と経済動向とのあいだに正の相関,図書館ルート経由の受容量と経済動向とのあいだに負の相関がある。第2に,図書の販売ルート経由の受容量は図書館ルートに先行している。第3に,販売ルート経由の受容量は相互に正の相関があり,図書,雑誌,新聞の順に変動している。図書と雑誌の関係については詳細な分析を加えた。
著者
小山 照夫 影浦峡 竹内 孔一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.124, pp.55-60, 2006-11-22
被引用文献数
8 or 0

テキストコーパスからの用語抽出は、自然言語処理技術の重要な応用である。従来テキストコーパスから用語候補を抽出する方法として、主として候補出現に関わる統計的指標を用いて用語性を判定する方法が採用されて来たが、統計的手法では出現頻度の低い候補についての判定が困難であった。今回の発表では、複合語に注目し、用語性を損なう形態素出現パターンを排除する形での用語候補抽出を行うことにより、高い精度で複合語用語抽出が可能となることを示す。Term extraction is one of the most important application of natural language processing technologies. Statistic criteria are widely adopted to evaluate the termhood of the extracted candidates. However, it is difficult to evaluate the termhood of less frequent candidates. In this study we propose a method for Japanese composite term extraction in which unproper morpheme patterns are eliminated. Using the new method, high precision of term extraction can be attained for Japanese composite terms.
著者
海野 敏 影浦 峡 戸田 愼一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.205-221, 2006-12-20
被引用文献数
1 or 0

本研究の目的は,近代における図書館の存在意義と社会的機能を明らかにすることである。そのために,主体とメディアの関係を手がかりとし,哲学,社会学,メディア研究等の先行研究を照査した。メディアが近代的主体の成立に寄与するための客観的条件を考えたところ,すべての条件を初めて満たしたのは印刷本であった。また,現在に至るまで印刷本だけが近代的主体の成立に寄与してきたことがわかった。さらに,19世紀に欧米で成立した近代図書館は,理念的には近代的主体の理想を純粋に体現していた。以上より,近代における図書館の本源的な社会的機能は,印刷本を媒介として近代的主体の成立,維持,強化に寄与するものであることを示した。
著者
影浦 峡
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.47-60, 2006-10

本論文では、専門語彙の体系における外来語語基の集合としての位置づけを、計量的な観点から分析する。専門語彙における外来語語基の位置づけについては、個々の外来語が漢語・和語と異なる存在であることを前提として様々な分析がなされてきた。しかしながら、語彙体系の構成において、使用頻度として、外来語語基の集合が、それ以外の語基の集合と異なる位置づけにあることは確実に検証されているものの、外来語語基とそれ以外の語基とが使われたとき、その使われ方が質的に異なるかどうかは検証されていない。本論文では、外来語語基とそれ以外の語基は同じ語基集合に属するものとして語彙の体系を構成しており、たまたま外来語語基が表層的特徴において目に付くためにそれだけを取り出して分析すると使用の度合いが全体として少ないことが観察されるだけなのか、それとも仮に同程度に用いられると考えても外来語語基集合は質的にそれ以外の語基集合と異なるのかを、データに基づいて検証する。農学、植物学、化学、物理学、情報科学、心理学の6分野の学術用語を対象に分析した結果、いずれの分野でも、語基が語彙に最初に取り込まれる状況では外来語は質的に異なった振舞いをするが、いったん語彙に取り込まれた外来語の振舞いには質的な特異性が見られないことがわかった。
著者
辻 慶太 芳鐘 冬樹 松本 直樹 影浦 峡
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.166-179, 2008-09-01 (Released:2017-05-24)

司書資格は取得者にどのような仕事をもたらしたか,満足をもたらしたのか,を明らかにする為,司書資格を取得(して/しないで)図書館に勤務(したことがない/している)者,及び資格取得を目指して(いる/いない)大学生,の6グループにインターネット調査を行った。回答者は1,829人で,資格を取得し図書館員にならなかった者には非正規職員が多く,現状に満足しておらず,年収は一般人より低いことが示された。資格を持つ図書館員には専門的業務に従事する者が多く,年収は低いが非常に満足していることも示された。
著者
影浦 峡
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.23-27, 1998-03

言語における「共時性」と「通時性」の概念の基本的な枠組みは、今世紀前半にソシュールによって示唆された。けれども、それ以来、これらの概念を巡っては、様々な解釈が与えられてきた。本稿では、それらの解釈の代表的なものを参照しつつ、具体的・技術的な言語研究を健全なかたちで進めるために必要な、「共時性」と「通時性」という概念の枠組みを、特に専門用語研究のあり方を想定しながら、整理する。
著者
根本 彰 影浦 峡 青柳 英治 海野 敏 小田 光宏 河西 由美子 岸田 和明 倉田 敬子 古賀 崇 鈴木 崇史 竹内 比呂也 谷口 祥一 研谷 紀夫 中村 百合子 野末 俊比古 松本 直樹 三浦 太郎 三輪 眞木子 芳鐘 冬樹 吉田 右子 今井 福司 河村 俊太郎 浅石 卓真 常川 真央 南 亮一
巻号頁・発行日
2010-04-01 (Released:2010-11-30)

5年間にわたる本プロジェクト(通称LIPER3)では、過去2回のLIPER研究で抽出した図書館情報学教育の問題構造に変化を与えるために次の実践研究を行った。第一に、図書館情報学教育の教育内容を見直すために、新しい標準的な教科書シリーズを執筆し刊行した。第二に、この標準的な教育内容に沿って各教育機関がどのような教育成果を上げているかを自己評価できるように、図書館情報学検定試験を4年間にわたり実施した。第三に、外国の図書館情報学教育の状況を把握し関係者と交流するために、アメリカの標準的教科書を翻訳・刊行し、国際学会で日本の図書館情報学教育について発表し、欧米の教育機関での聞き取り調査を実施した。
著者
竹内 孔一 内山 清子 吉岡 真治 影浦峡 小山 照夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.1446-1456, 2002-05-15
被引用文献数
8 or 0

本研究では,主辞がサ変名詞である複合名詞の語構成において,構成する単語間の係り関係を支配する語彙的性質に着目し,それに基づく複合名詞解析モデルの作成を試みる.主辞がサ変名詞の複合名詞内の係り関係の解析は,並列関係の場合を除くと,主辞であるサ変名詞の項関係なのか修飾なのかを同定することが解析の第1歩である.項関係とは名詞が動詞の目的語や主語といった関係であることを意味している.本論文では,この関係をとらえる方法として,語彙概念構造を利用した動詞の分類と,その構造を利用した名詞の分類に基づく複合名詞解析手法を提案する.情報処理関連の専門用語と新聞記事中の一般的な複合名詞に対してテスト的な実験を行った.その結果,平均で1231語の複合名詞対して約99.4%の複合名詞を正しく解析する結果を得た.In this paper,we describe a principled approach for analyzing relations between constituent words of compound nouns,specifically those whose heads are deverbal nouns,based on the classification of deverbal nouns by their lexical conceptual structure (LCS) and the classification of nouns in modifier position vis-a-vis LCS of head deverbal nouns.There are two kinds of relations of compounds with head deverbal nouns.The one is that a modifier noun becomes an argument of deverbal head and the other is that a modifier becomes an adjunct.It is an important starting point for analyzing relations to disambiguate the two kinds of relations.Through the qualitative analysis of the data and the experimental evaluation of 1231 compound nouns, we show that the use of LCS as the theoretical basis is very promising for constructing compound analyzer.
著者
内山 清子 竹内 孔一 吉岡 真治 影浦 峡 小山 照夫
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.49-57, 1999-03
被引用文献数
1 or 0

専門分野における複合名詞を分析する時に、複合名詞を構成している語構成要素の情報が必要となってくる。本研究では、語構成要素の文法情報だけでどこまで複合名詞の性質を分析することができるかどうかを見きわめるために、語構成要素を文法情報である品詞相当カテゴリーに分類するための検討を行った。語構成要素においては、従来の文/単語関係で定義された品詞カテゴリーをそのまま適用することは難しい。そこで本研究では、従来の品詞カテゴリーを参照しつつ、新たに語構成用の品詞相当カテゴリーとその定義を設定することを試みた。