著者
杉江 真以子
出版者
国立研究開発法人国立成育医療研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

ウイルス感染による上皮傷害は、喘息の発症や増悪に決定的なサイトカインIL-33を放出させる。上皮細胞内に恒常的に発現するIL-33は、細胞傷害により放出され機能すると考えられているが、その産生機構は不明な点が多い。我々の予備検討では、ウイルスdsRNA合成アナログ(polyI:C)で活性化された肺微小血管内皮細胞が、細胞傷害を介さない新規機序でIL-33 mRNA発現を誘導した。本研究ではpolyI:Cだけでなく、インフルエンザウイルスを用いて、この新規IL-33発現誘導機構を解明することで、ウイルス感染を契機とする喘息発症・重症化の予防・治療戦略の基盤となる情報提供を目的としている。