- 著者
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杉谷 陽子
- 出版者
- 日本マーケティング学会
- 雑誌
- マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.3, pp.38-53, 2018 (Released:2020-01-24)
- 参考文献数
- 35
- 被引用文献数
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「自己とブランドのつながり(Self-brand connection)」は,ブランド購買やブランド支援行動を導く重要なブランド評価である。本研究では,自己とブランドのつながりを,いかにすれば強化することが出来るか,その方法を明らかにした。また,自己とブランドのつながりは,状況によって変化しにくく,常に購買意図を導く効果をもつことを明らかにした。実験では,まず,参加者に未知のファッションブランドの広告を見せてブランドに対する評価および購買意図を回答させた。次に,そのブランドが自らの所属する集団,あるいは,羨望集団において多く採用されているブランドであるという情報を,オンラインマガジンの記事として提示した。その結果,記事を参照することで,自己とブランドのつながりは有意に上昇した。また,記事を参照する前,参照した後,いずれにおいても,自己とブランドのつながりは購買意図を高める効果を持つことがわかった。一方,他のブランド評価(プレステージ,知覚品質,ファッション性)は状況によって変動しやすく,購買意図との関連は弱いことが分かった。考察では,自己とブランドのつながり,および,その他のブランド評価の性質について論じた。