著者
川崎 敏生 荒川 芳輝 杉野 寿哉 光原 崇文 舟木 健史 菊池 隆幸 小柳 正臣 吉田 和道 国枝 武治 高橋 淳C 高木 康志 宮本 享
出版者
医学書院
雑誌
Neurological Surgery 脳神経外科 (ISSN:03012603)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1005-1010, 2015-11-10

Ⅰ.はじめに もやもや病は,両側内頚動脈終末部に慢性進行性の狭窄を生じ,代償的に脳底部に異常血管網が形成される原因不明の疾患である11).一方,川崎病は乳児および幼児において原因不明の系統的血管炎を主体とする疾患であり6),活動期に稀ながら脳梗塞を合併する4,7,12,15,17).川崎病活動期のもやもや病合併の報告はないが,川崎病罹患歴のあるもやもや病の報告がある1,3,8,9,13,14).今回,川崎病の既往があるもやもや病3例を経験したので,文献的考察を交えて報告する.
著者
三上 毅 杉野 寿哉 菅野 彩 宝金 清博 三國 信啓
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.82-88, 2012 (Released:2012-03-24)
参考文献数
17
被引用文献数
2 1

甲状腺機能亢進症に併発した類もやもや病4症例を経験したので,文献的考察を加えてその病態や治療指針に関して検討した.2007年1月から2010年12月までに当科で血行再建術を行った,甲状腺機能亢進症に併発した類もやもや病4症例を後ろ向きに検討した.男性2例,女性2例で,平均年齢は27.5歳(14-43歳)であった.全例直接血行再建術と間接血行再建術を行った.神経学的な予後は良好であったが,1例で甲状腺機能の悪化が認められた.周術期の甲状腺機能コントロールは,虚血性合併症を避けるうえでも非常に重要であるが,甲状腺機能亢進症の活動性を評価するのは非常に困難であり,治療指針の検討には内分泌科との連携が重要であると考えられた.