著者
村上 宣寛 村上 千恵子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-39, 1997-10-09 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
6 17

本研究の目的は, 主要5因子を測定する質問紙を作成することである. 予備調査では, 試作版の95項目, GoldbergのSD尺度, MINI性格検査を大学生236名に実施した. SD尺度は5因子モデルのよいマーカーであることが分かった. また, 試作版の因子分析から69項目が選択された. 本調査では, 試作版に, MINIの43項目, 新たに執筆した項目を加え, 合計300項目の質問紙を作成した. その質問紙と, GoldbergのSD尺度, MINIを大学生496名に実施した. MINIの結果から洞察力に問題がある被験者を除き, 443名を分析の対象とした. 最初に暫定版質問紙300項目とSD尺度の各次元の合計点との相関を求め, 合計150項目を選出した. グループ主軸法による分析を行い, 60変数を抽出し, 最終的に, 主因子法と因子パーシモニー基準による直交回転を行った. その後, MINI性格検査の建前尺度12項目を追加し, 並ベ換えを行った. 基準関連妥当性としてSD尺度の各次元の合計点との相関を算出すると, 0.510から0.774の範囲に分布していた. 信頼性をみるために, 主要5因子性格検査(決定版)を大学生227名に1週間間隔で2度実施した. 結果は0.853から0.953の範囲であった. 主要5因子性格検査(決定版)の妥当性, 信頼性はともにかなり高いと考えられる.
著者
村上 宣寛 村上 千恵子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-39, 1997
被引用文献数
2 17

本研究の目的は, 主要5因子を測定する質問紙を作成することである. 予備調査では, 試作版の95項目, GoldbergのSD尺度, MINI性格検査を大学生236名に実施した. SD尺度は5因子モデルのよいマーカーであることが分かった. また, 試作版の因子分析から69項目が選択された. 本調査では, 試作版に, MINIの43項目, 新たに執筆した項目を加え, 合計300項目の質問紙を作成した. その質問紙と, GoldbergのSD尺度, MINIを大学生496名に実施した. MINIの結果から洞察力に問題がある被験者を除き, 443名を分析の対象とした. 最初に暫定版質問紙300項目とSD尺度の各次元の合計点との相関を求め, 合計150項目を選出した. グループ主軸法による分析を行い, 60変数を抽出し, 最終的に, 主因子法と因子パーシモニー基準による直交回転を行った. その後, MINI性格検査の建前尺度12項目を追加し, 並ベ換えを行った. 基準関連妥当性としてSD尺度の各次元の合計点との相関を算出すると, 0.510から0.774の範囲に分布していた. 信頼性をみるために, 主要5因子性格検査(決定版)を大学生227名に1週間間隔で2度実施した. 結果は0.853から0.953の範囲であった. 主要5因子性格検査(決定版)の妥当性, 信頼性はともにかなり高いと考えられる.
著者
馬場 正之 村上 千恵子 小川 吉司
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.497-501, 2016-12-01 (Released:2017-12-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1

原因不明の突然死を来した糖尿病患者3例の神経伝導検査所見と突然死に至るまでの臨床経過を報告し, 糖尿病性神経障害が突然死の基盤となった可能性を論じる。いずれの患者も2007年~2009年に神経伝導検査によって重度~廃絶性神経障害と診断された41名中に属し, その後の足病変イベント発生の前向き調査中に突然死を来したもので, 死亡直前の血糖コントロールは安定し, 低血糖や致死的な心・脳血管障害を思わせる症状・徴候はなかった。同時期に神経障害なしあるいは軽度・中等度障害としてフォロー中の糖尿病患者189名に突然死は5年間全く出ていない。神経伝導検査による神経障害重症度の客観的評価法の有用性と, 神経伝導検査専門検査技師養成の意義についても述べた。