著者
村上 潤
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.47, pp.D-14-D-14, 2020

<p> 全く新しいシーティング理論「キャスパー・アプローチ」のご紹介</p><p> 従来の骨盤を垂直に起こそうとする「良い姿勢」を目指すほど,体は物体として「不安定」になることがこの20年以上の検証で明らかとなった。また,多くの負の現象はその不安定に対応できずに引き起こされていることも解明してきた。そして,その「不安定」が「安定」に変わった瞬間に様々な負の現象が変化し,本来のその方の持つ機能が発揮されることも多くのケースで実証し,それらは,新生児から高齢者まで,ほとんど同じストーリーで変化することも解ってきた。</p><p> 今回,「今までの良い姿勢」を目指すと何故体は「不安定」になるのか? その「不安定」を「安定」に変えるにはどうすれば良いのか? キャスパーでいう「不安定」「安定」とはどういう概念なのかを実際の変化をビデオでご覧いただきながら解説する。また,「体が物体として安定」するからこそリラックスが始まり,リラックスするからこそしなやかでアクティブな「自らの意思から始まる動き」につながり,それらは日常的に積み重なること,「安定」は「固定や抑制」ではないということもお伝えしたい。</p><p> そして,それらの変化から医療機関を含めた各関係機関と連携しながら進めようとしている「0才~100才の予防環境支援」という方向性の取り組みを紹介する。</p>