著者
村上 美華 梅木 彰子 花田 妙子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.4_29-4_38, 2009-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
28

本研究は,外来通院中の2型糖尿病患者を対象として自己管理を促進する要因,および阻害する要因を明らかにすることを目的とした。研究方法は,質的記述的研究である。研究参加者は糖尿病患者16名で,半構成的面接調査を行った。 その結果,糖尿病患者の自己管理を促進する要因は,【糖尿病と向き合う】【自己管理の実行を意識化する】【取り組んだ効果を実感する】,医療者や同病者などと【支援環境を形成する】であった。反対に,患者の自己管理を阻害する要因は,【糖尿病と向き合えない】【糖尿病である自分自身や生活が重荷になる】【支援環境が広がらない】であった。 糖尿病患者が主体的に自己管理を継続できるために,看護者は糖尿病と向き合えるように支援すること,実施した効果を実感できるように働きかけること,負担感や孤立感を緩和することが重要である。
著者
村上 美華 前田 ひとみ
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1_133-1_139, 2010-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
26

本研究の目的は,新人看護師の職業性ストレスを測定する尺度を開発することである。まず,2006年1月と2007年1月に就職後10 ヶ月目の新人看護師を対象に尺度原案を作成するための調査を行った。文章完成法により得られた記述を内容分析し,23項目5件法の質問紙を作成した。次に,3県の施設に勤務する新人看護師383名を対象に,就職後6~7ヶ月目である2007年9月~ 10月に質問紙調査を行い,尺度項目の選定とCES-D及びSEとの相関から信頼性と妥当性を検討した。因子分析の結果, 16項目3因子が精選され,『職場環境』『看護実践』『自己成長』と命名した。尺度全体のCronbach’s α係数は0.860であり,抑うつ自己評価尺度とは正の相関,自尊感情尺度とは負の相関が認められた。以上の結果から,本尺度の信頼性と妥当性は概ね確保されており,実用可能な尺度であると判断できる。