著者
村松 康司
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

炭素材料の劣化は多くの場合炭素表面の酸化に起因するが,この分析技術は確立しておらず,炭素表面酸化の簡便かつ高精度な状態分析および定量分析技術の開発が急務となっていた。そこで,本研究では放射光軟X線分光法を利用して,複雑な局所構造をもつ炭素材料の酸化(劣化)分析・評価技術を開発することを目的とした。具体的には,(1)我々が提案した全電子収量軟X線吸収分光法による炭素表面酸化の状態・定量同時分析法について,実験を通してこの可能性と適用限界を明らかにするとともに,(2)産業界の実材料を分析して本法の実用性を検証した。加えて,全電子収量軟X線吸収分光法を用いた状態・定量分析に関する新しい知見・技術を取得した。