著者
宇都 由美子 熊本 一朗 村永 文学 宇宿 功市郎
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.119-123, 2001 (Released:2017-08-21)
参考文献数
6
被引用文献数
1

鹿児島大学医学部附属病院においては,2001年1月より病院情報システムのレベルアップを行ったが,医療事故防止活動の一環として,患者に安全な診療や看護を提供するためのリスクマネジメント支援機能としてのシステム開発を行った.本院で既に開発した物流システムや手術オーダリングシステムのバーコードをスキャナーで読み取るという実施入力の経験を活かし,新しいリスクマネジメント支援システムについても迅速,簡便で正確なバーコード入力を利用して開発した.新システム稼働後,輸血製剤の実施入力を開始したため,本稿においては,その運用概要と評価について報告する.また,今後開発予定の他のリスクマネジメント支援機能についても述べる.
著者
田川 まさみ 村永 文学 網谷 真理恵 元日田 和規 貴島 沙織
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

医学部教育における医学生の成長を、卒業前の学生の意識と臨床実習前の振り返りの記載より明らかにし、関連する学生の経験を検討した。1から4年次の振り返りの解析では、医療面接のロールプレイ、医療現場でのロールモデル、患者との経験がプロフェッショナル・アイデンティティ獲得のきっかけとなっていた。卒業前の学生の多くは不安や両価的感情を持っていた。臨床実習での診療への貢献、患者からの感謝の言葉が学生のポジティブな感情に関連しており、ロールモデルとの経験が学習成果を学生が実感することに関連していた。十分な経験をできる教育プログラムと経験から学び取る振り返りの重要性が明らかとなった。
著者
宇都 由美子 村永 文学 大野 佳子 熊本 一朗
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

わが国においても、医療費適正化を目的として徐々に包括評価が導入、拡大されている。出来高払い方式から包括払い方式へと移行し、収入の上限が決められた中で、いかに効率よく医療や看護を提供するかということが重要な課題となり、人件費などを含め医療資源の適切な投入とコストコントロールのためのツール作成が急がれている。医療や看護の質を確保し、同時に医療費の適正化を達成するためには、病院のIT化は不可欠な要素である。鹿児島大学医学部・歯学部附属病院においては、すでに医療情報・遠隔診断システムとしてセキュリティ機能を強化した病院ATMネットワークが設置されている。したがって、病院データウェアハウス用データベースサーバを病院ATMネットワーク内に設置し、病院情報システム(THINK)のデータベースとリンクを図ることが比較的容易に実現でき、病院DWHの中に看護師人件費の算出及び評価システムの開発を行った。具体的な成果として、1)THINK内の看護師基本情報、看護データ、勤務実績、超過勤務時間データの抽出、ならびに給与データを解析し、DWHのDBの構造を構築する。2)入院(病棟勤務)の看護師のマンパワーと人件費の解析システムの開発を行った。(1)患者ごと、1入院期間ごとの看護度データを抽出し、病院DWHに転送して看護師ごとにまとめ、看護マンパワーと人件費の関係を評価できる解析システムを開発した。(2)患者に提供された看護マンパワーの需要と供給バランスにどのような差異があるのか分析、評価した。3)入院に関する病棟(含むICU)ごとの看護師のマンパワーと人件費の差異に関する分析を行った。(1)病棟、看護師ごとに分析を行い、看護マンパワーの需要と供給バランスにどのような差異があるのか分析、評価した。(2)その差異がどのような原因(患者の疾患、手術の有無、合併症、補助的療法)によって生じるのか分析した。