著者
網谷 東方 網谷 真理恵 浅川 明弘 乾 明夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1013-1022, 2016 (Released:2016-10-01)
参考文献数
37
被引用文献数
1

悪液質がもたらす栄養不良には, 食欲不振が大きく影響している. さらに, 炎症性サイトカインに誘発される全身の炎症反応による代謝異常のため, 骨格筋分解の亢進, インスリン抵抗性, 脂質分解の亢進などの同化障害と異化亢進された状態にある. この代謝障害が高度になり, 悪液質のステージが, “前悪液質 (precachexia)”, “悪液質 (cachexia)”, “不応性悪液質 (refractory cachexia)” と進行すると, 栄養補給を行っても有効に同化することができず, 栄養不良は不可逆的な状態になる. そのため, 悪液質のステージを評価し, 適切な栄養管理を行うことが重要となる.
著者
網谷 真理恵 中尾 睦宏 中山 健夫 端詰 勝敬 吉内 一浩 石川 善樹 乾 明夫 井上 茂 島津 明人 諏訪 茂樹 津田 彰 堤 明純 坪井 康次
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.37-40, 2015

<p>諸言 : わが国の医学教育においては, 行動科学が医学教育の中で独立したカリキュラムとして取り扱われることはほとんどなく, 体系的な教育はなされていない.<br>方法 : 日本行動医学会評議員に対するデルファイ法を用いた意見調査から明らかになった医学部卒業時に求められる行動科学に関するコンピテンシーを基に討議を重ね, アウトカム志向型のカリキュラム案を考案した.<br>結果 : 演習や実習を取り入れた, 行動科学1単位=15時間の学習モデュールを提案した.<br>考察 : アウトカムに到達するために, 疾患の全人的理解および行動変容を目的とするロールプレイなどを取り入れた実習・演習や, 実際の治療戦略を考案するPBL, TBL形式の学習を推奨したい.</p>
著者
網谷 東方 網谷 真理恵 浅川 明弘 乾 明夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1013-1022, 2016

<p>悪液質がもたらす栄養不良には, 食欲不振が大きく影響している. さらに, 炎症性サイトカインに誘発される全身の炎症反応による代謝異常のため, 骨格筋分解の亢進, インスリン抵抗性, 脂質分解の亢進などの同化障害と異化亢進された状態にある. この代謝障害が高度になり, 悪液質のステージが, "前悪液質 (precachexia)", "悪液質 (cachexia)", "不応性悪液質 (refractory cachexia)" と進行すると, 栄養補給を行っても有効に同化することができず, 栄養不良は不可逆的な状態になる. そのため, 悪液質のステージを評価し, 適切な栄養管理を行うことが重要となる.</p>
著者
田川 まさみ 村永 文学 網谷 真理恵 元日田 和規 貴島 沙織
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

医学部教育における医学生の成長を、卒業前の学生の意識と臨床実習前の振り返りの記載より明らかにし、関連する学生の経験を検討した。1から4年次の振り返りの解析では、医療面接のロールプレイ、医療現場でのロールモデル、患者との経験がプロフェッショナル・アイデンティティ獲得のきっかけとなっていた。卒業前の学生の多くは不安や両価的感情を持っていた。臨床実習での診療への貢献、患者からの感謝の言葉が学生のポジティブな感情に関連しており、ロールモデルとの経験が学習成果を学生が実感することに関連していた。十分な経験をできる教育プログラムと経験から学び取る振り返りの重要性が明らかとなった。