著者

村瀬 天出夫 伊藤 博明 小野 純一 中西 悠喜 平井 浩

出版者

聖学院大学

雑誌

基盤研究(B)

巻号頁・発行日

2022-04-01

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イスラム圏および西欧圏という地中海の東西二大文化圏における双方向的な魔術思想の交流を扱う。魔術は「自然の操作」という観念のもとに、近代以前の「知の歴史」に多大な寄与をなし、実験科学の興隆や人間観・自然観の形成に影響を与えた。その背景には中世・近世にかけて両文化圏をまたぐ魔術思想の交流があった。対立的(「イスラム対キリスト教」)と捉えられがちな両者の関係を、相互依存的・相互発展的な知の往来という観点から包括的に明らかにする。そのために、分断されている現在の研究潮流の統合を試みるとともに、当時の「魔術的知」の伝統と「自然の操作」の観念が現代へ連なる「近代世界」を準備した重要な要因であることを示す。

著者

村瀬 天出夫[著] 簗田 航[訳] ムラセ アマデオ ヤナダ ワタル Amadeo Murase Wataru Yanada

雑誌

史苑

巻号頁・発行日

vol.81, no.1, pp.86-100, 2020-12