著者
川野 秀一 村田 右富実 Shuichi Kawano Migifumi Murata
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1-13, 2019

万葉歌の研究において,歌の音の使用傾向から歌人の特徴を捉える場合がある.それぞれの歌人の使用している音の癖を読み取ろうとするものである.しかし,これまでは歌内で多く使用されている,もしくはほとんど使用されていない単一の音のみに着目した単変量的な解析や主観的な判断がほとんどであった.本論文では,複数の音を考慮に入れた統計解析を実行し,歌人の分類ならびにその音に基づいた特徴付けについて考察する.具体的には,まず,柿本人麻呂,山上憶良,大伴旅人の3 歌人の短歌に着目し,各短歌内で使用されている音節から特徴量を作成する.その後,得られたデータに対してスパース正準判別分析を適用することにより,歌人の分類と各歌人に特徴的な音節の選択を行う.
著者
川野 秀一 村田 右富実
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.45-57, 2019 (Released:2020-04-21)
参考文献数
36

万葉歌の研究において,歌の音の使用傾向から歌人の特徴を捉える場合がある.それぞれの歌人の使用している音の癖を読み取ろうとするものである.しかし,これまでは歌内で多く使用されている,もしくはほとんど使用されていない単一の音のみに着目した単変量的な解析や主観的な判断がほとんどであった.本論文では,複数の音を考慮に入れた統計解析を実行し,歌人の分類ならびにその音に基づいた特徴付けについて考察する.具体的には,まず,柿本人麻呂,山上憶良,大伴旅人の3歌人の短歌に着目し,各短歌内で使用されている音節から特徴量を作成する.その後,得られたデータに対してスパース正準判別分析を適用することにより,歌人の分類と各歌人に特徴的な音節の選択を行う.
著者
村田 右富実
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.55-69, 2021-04-01

A correspondence between "大伴書持" (Ootomo-no-Fumimochi) and "大伴家持" (Ootomo-no-Yakamochi) is noted in Volume 17 of "万葉集." Conventionally, the letters from "左注" of No. 3910 to "前置漢文" of No. 3911 are considered as follows: 右四月二日大伴宿祢書持従奈良宅贈兄家持 橙橘初咲霍鳥飜嚶 對此時候詎不暢志 因作三首短歌 以散欝結之緒耳 However, "仙覚寛元本系" has the letters "和歌二首" and "廣瀬本" has "和歌四首," which follows "左注." Furthermore, "和歌二首" exists in "題詞" of "類聚古集." When taking all the above-mentioned aspects into consideration, these letters should be revised as follows: 右四月二日大伴宿祢書持従奈良宅贈兄家持 和歌三首 橙橘初咲霍鳥飜嚶 對此時候詎不暢志 因作三首短歌 以散欝結之緒耳 The paper suggests that No.3911–3913 should be understood as "和歌."
著者
村田 右富実 川野 秀一
出版者
関西大学国文学会
雑誌
國文學 (ISSN:03898628)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.17-35, 2020-03-01

田中登教授古稀記念特集号