- 著者
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村田 未果
今村 太郎
宮ノ下 明大
- 出版者
- 日本応用動物昆虫学会
- 雑誌
- 日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.2, pp.131-136, 2006-05-25
- 被引用文献数
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3
カップ麺製品に対するノシメマダラメイガ幼虫の侵入法と食害を把握することを目的とし,流通しているシュリンク包装が施されたカップ麺製品への終齢幼虫の侵入方法を調べた.また,即席麺を餌とした場合の幼虫発育を調べた.幼虫は,シュリンクフィルムと容器の間の空間の大きな箇所を好んで侵入する傾向が観察された.フィルム上の空気抜き穴および側面および底面にある背貼り(フィルムのつなぎ目)上に開けられている穴において,幼虫によるかじり跡が確認された.また,フランジ(ふたの縁)ではフィルム上から発泡ポリスチレンシート容器を穿孔し,容器内部へ侵入し,即席麺を摂食している個体が認められた.孵化時より即席麺を餌とした場合,室温30℃,湿度70%で成虫まで平均33.1日(♂),34.4日(♀)で発育し,米糠に比べて有意に長く,羽化率は30.0%と低かった.以上より,カップ麺製品へのノシメマダラメイガの侵入方法と加害を再現し,本種の混入防止という観点から製品容器および包装方法に関する改良の必要性を指摘した.