- 著者
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石島 力
佐藤 安志
大泰司 誠
- 出版者
- 日本応用動物昆虫学会
- 雑誌
- 日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.4, pp.193-200, 2008-11-25
- 被引用文献数
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チャのハマキガ類の卵寄生蜂キイロタマゴバチの発育速度,性比,羽化率および体サイズを,チャノコカクモンハマキ卵およびチャハマキ卵を寄主とした場合について5つの温度(16,20,24,28,および32℃)で調査した.ハマキガ類の卵で飼育したキイロタマゴバチの発育速度は,どちらの卵で飼育した場合においても,温度と有意な関係がみられたが,卵サイズの大きいチャハマキ卵の方がチャノコカクモンハマキ卵に比べ,温度に対する発育速度の上昇率は有意に高かった.チャノコカクモンハマキおよびチャハマキ卵で飼育した発育零点と有効積算温度は,雌,11.7℃,120.5日度,雄,11.5℃,119.0日度,および雌,11.7℃,114.9日度,雄,11.7℃,116.3日度となった.チャノコカクモンハマキおよびチャハマキ卵から羽化した成虫の性比(雌個体数/合計個体数)は,それぞれ0.76〜0.89および0.71〜0.77であり,羽化成虫の性比については,チャノコカクモンハマキがチャハマキに比べ有意に高かった.また,チャノコカクモンハマキおよびチャハマキ卵から羽化した成虫の羽化率[{羽化個体数/(羽化個体数+卵塊内死亡個体数)}×100]は,それぞれ23.7〜73.4および41.8〜85.0であった.羽化率は,両寄主ともに,温度の上昇に従って,加速的に低下した.チャノコカクモンハマキ卵から羽化した雌および雄成虫の頭幅は雌0.172〜0.186mmおよび0.168〜0.188mmであった.チャハマキ卵から羽化した雌および雄成虫の頭幅は0.202〜0.216mmおよび0.195〜0.212mmであった.チャノコカクモンハマキで飼育した場合,ハチの頭幅は温度が上昇するに従って大きくなることが示唆された.一方,チャハマキで飼育した場合,ハチの頭幅は温度が上昇するに従って加速的に小さくなることが示唆された.