- 著者
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東 真太郎
片山 郁夫
- 出版者
- 日本惑星科学会
- 雑誌
- 日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.4, pp.318-325, 2015-12-25 (Released:2017-08-25)
アポロ計画で設置された地震計によって月にも地震(月震)が起きることがわかっている.月震は発生領域や発生メカニズムによって,浅発月震,深発月震,熱月震,インパクトによる月震に分類されており,我々はこの月震の中でも深さ約800-1200km付近で起きる深発月震について,月内部のレオロジー構造とともに考察した.月内部の温度構造から考察されるレオロジー構造から,深発月震は明らかに塑性変形領域で発生していることがわかった.通常は破壊や滑りが起こらない塑性変形領域で深発月震が起こるメカニズムを,地球で起きる地震の発生メカニズムのモデルを参考に考察した.