著者
田中 舘秀三
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩石礦物礦床學 (ISSN:18830757)
巻号頁・発行日
vol.1, no.5, pp.215-222, 1929-05-01 (Released:2008-03-18)
著者
赤井 純治 長峰 崇 山本 玄珠 北垣 俊明 海野 友紀
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.106-106, 2005

深海のマンガンノジュールは、1873年グロマーチャレンジャー号の発見以来多くの研究があり、またその成因も様々に議論されている。最近、ノジュールにみられる縞状構造はミランコビッチサイクルに対応するという解釈もある(Han et al., 2003)。マンガン酸化バクテリアも、ノジュールに付着しているとの報告がある( e.g.,Edenborn, et al., 1985 ) が、詳細な成因についてはわかっていない。淡水性環境でも、様々なマンガン土沈殿、ノジュール状沈殿、温泉性のストロマトライト構造をもつもの(赤井他、1997)等報告がある。山本他(2004)は、青森県尾太鉱山排水路中から、大きさ7cmを越す、マンガン団塊が生成していることを報告した。これによると、このマンガンノジュールの組成は、平均MnO=60%程度で他の金属として、ZnO=4%、CaO=3% 程度を含む。今回、この尾太鉱山産マンガンノジュールの生成過程をしらべる為に、マンガンノジュールの生成の初期段階とノジュールの組織・構造に注目し、電顕鉱物学、バイオミネラリゼーションの視点から検討した。産地と試料:尾太鉱山が閉山(1978年)後の坑内排水溝に茶褐色微生物マットが生成し、その中に0.数mmから数cmの黒色Mnノジュールが生成している。水質は以下のようである:pH= 6.8-7.1 Mn= 20-24 ppm, Ca, 270-290ppm, Mg= 28-31ppm, Zn = 6-8ppm, Cl = 6ppm, NO3= 17ppm, SO4 =529-661ppm. ORP =85-135mV, EC=_から_1270μS。この微生物マットごと、試料を採取し、SEM、TEMで観察した(TEM は JEOL JEM2010、EDSはNoran Inst., Voyager IV )。結果と考察:微生物マットは主に鉄酸化バクテリア、ガリオネラとそれが作りだしたら旋状の水酸化鉄の柄の部分からなる。ガリオネラの水酸化鉄は高倍率のTEM像で、さらにこまかな、ナノサイズのアモルファス鉱物粒子であることが解像される。TEM観察で、ガリオネラのバクテリア部分がみられるが、一部のガリオネラのバクテリア本体がマンガン鉱物に覆われているものが今回見いだされた。このEDS組成分析もあわせ、マンガン鉱物のバイオミネラリゼーションと解釈される。一般には、ガリオネラはMnを酸化しないとされているが、極限的な条件下で、利用できるFeがなくなり、Mnがある場合には、マンガン酸化にガリオネラがかかわってくるか、あるいは何らかのバクテリア表面の化学的性質の変化による沈着であろうことを示唆している。このようなマンガン鉱物集合の形態は、1μmスケールの扁形な形態から、少し大きな球状まで、やや幅がある。また、ガリオネラのつくった水酸化鉄のらせん状の柄にからみつくように、マンガン酸化物がみつかることもあり、これは、ガリオネラが特徴的な鉄水酸化物の柄を出しつつある過程でマンガンを沈殿したようにみえる。これまでの観察では、ガリオネラ自身が、マンガンノジュールの最初の端緒をつくった可能性も考えられる結果といえる。微小ノジュールの形態は、ガリオネラマットに支えられて、球状形態が形成され、成長する。また、イオン研摩試料について観察し、縞状構造の結晶サイズの疎密、によるちがいが観察できた。試料Aのマンガン鉱物は buseriteであり、葉片状の層状構造をなすことが、HRTEMで観察された。成因について、さらに議論する。
著者
林 謙一郎 新田 朋子
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.17, 2003

青森県下北半島,恐山地熱地帯には,シリカシンター(珪華)が広範に分布している.湧出する熱水には硫酸酸性型,中性塩化物重炭酸型,中性塩化物型などが報告され,それぞれのタイプで酸素・水素同位体比が異なることが知られている(Aoki, 1992).同位体比の解析から現在の熱水の起源は主に天水で,これに様々な割合でマグマ水起源物質が添加していると考えられてきた.ここでは熱水から沈殿したシリカシンターの酸素同位体比を層序ごとに調べることにより,一連のシンターが生成する間に熱水の起源がどのように変遷してきたかを検討したので報告する.<BR> 本研究では一連のシンターとしては最も厚く,層厚約1.3 mを有するものを検討した.このシンターの生成期間については明らかではない.産状の特徴から,下部層と上部層に区分できる.下部層は厚さ約1 mで,赤や黄色に着色した縞状構造が特徴で,ストロマトライト状の組織を有する部分も存在する.上部層は厚さ約30 cmで白色を呈する1 mm程度の薄層の互層からなる.シンターはまれに外来岩片を伴うが大半は熱水から沈殿したシリカ鉱物のみから成り,X線粉末回折の結果は上部層はopal-Aのみから,また下部層はopal-Aおよびopal-CTの両者から構成されている.<BR> シリカ鉱物の酸素同位体比は通常のレーザー加熱五フッ化臭素法によった.酸素同位体比(&delta;<SUP>18</SUP>O<SUB>SMOW</SUB>)は下部層では概ね+20から+25 &permil;で,上部程重くなる傾向がある.上部層は+25から+30 &permil;で上部に向かい連続的に同位体比が軽くなっている.シリカ鉱物の酸素同位体比は,それを沈殿させた水の酸素同位体比と熱水の温度に支配されているであろう.シリカ鉱物が水と同位体的に平衡になった時の温度として1) 熱水貯留層中の温度(220℃),2) 地表でシリカが沈殿した温度(現在の地表での実測値は96℃)の両者の可能性が考えられる.貯留層中の温度を仮定した場合,熱水の同位体比の計算値は+10から+20 &permil;となり,高温火山ガスあるいはマグマ水の同位体比として考えられる値よりもはるかに大きく,このような組成の熱水の存在は現実的ではない.従ってここでは熱水が地表に噴出した時の温度が,シンターの酸素同位体比を決定していると考えた.非晶質シリカー水間の同位体分配係数を用いて求められた熱水の酸素同位体比は,天水よりも最大12.5 &permil;重い.このことから熱水の酸素同位体比は天水と高温火山ガスの中間にあり,時代とともに両者の割合は変動するが,最近は高温ガスの影響がより強くなっているように思われる.
著者
小原 泰彦
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.193-202, 2012-09-30
被引用文献数
1 5

The Godzilla Megamullion is the largest known oceanic core complex, located in the Parece Vela Basin, an extinct backarc basin in the Philippine Sea. The previous studies argued that the basin was active from 26 Ma to 12 Ma at an intermediate-spreading rate of 8.8-7.0 cm/year full-rate, although the basin shows the characteristics typical for slower spreading ridges. For example, many peridotites in the Parece Vela Basin are much less depleted than those exposed at comparable spreading rates on other mid-ocean ridge systems. The tectono-magmatic characteristics of the Parece Vela Basin were thus thought unusual and paradoxical.<br>   However, the recent studies, based on the high-density samplings on the Godzilla Megamullion, show the evidences that the basin became slow to ultraslow environment in its terminal phase. Zircon U-Pb dating of gabbroic rocks from the Godzilla Megamullion reveals that the estimated slip rate of the Godzilla Megamullion detachment fault was ∼ 2.5 cm/y; significantly slower than the previous estimate. The morphology and geology of the termination area are similar to those observed in ultraslow-spreading ridges. Decreasing degree of partial melting of the peridotites as well as increased amount of plagioclase-bearing peridotites (showing melt stagnation in the shallow lithospheric mantle) are observed towards the termination of the Godzilla Megamullion.<br>   Based on the recent observations at the Godzilla Megamullion, it would be argued that the terminal phase of a backarc basin development will go through an ultraslow-spreading environment, erupting alkaline basalts. There will be an overlap period of the terminal alkaline basalt magmatism and the rifting of a succeeding backarc basin.<br>
著者
東 真太郎 片山 郁夫 平内 健一 山下 茂
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.118-118, 2010

本研究では、地殻・マントル境界でのレオロジー変化を流動則の外挿によるのではなく、高圧変形実験によって、含水条件下のモホ面付近における斜長石とカンラン石の強度を直接決定する実験を行った。実験条件は圧力1GPa、温度400~800℃の条件で斜長石とオリビンの出発物質を同時にアルミナピストンに挟み、相対的な強度を決定する。実験後の変形微細組織から、斜長石とオリビンはどちらも格子選択配向を示し、転位密度からも斜長石とオリビンは転位クリープに対応する塑性変形をしていることが確認された。実験結果としては、400℃においてオリビンは斜長石より強度が低いが、一方で800℃においては、オリビンより斜長石の方が柔らかくなった。結果として、斜長石とオリビンの強度比は温度に依存することが示された。そして、地球のモホ面に対応する温度圧力条件では斜長石よりオリビンの方が強度が低い、もしくは、ほとんど強度に差がないという結果が得られた。この結果から、地球の大陸リソスフェアの地殻とマントルのレオロジー層構造のモデルとして適切であるのは「クレームブリュレモデル」であることが考えられる。
著者
花室 孝広 梅田 浩司 高島 勲 根岸 義光
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.27-38, 2008-03-30
被引用文献数
1 2

The high temperature hot springs such as in Yunomine and Tosenji and the hydrothermal alteration zones of the Hongu area are distributed in the southern part of Kii peninsula, though Quaternary volcanoes which can be their potential heat sources are not distributed in the area. This research has aimed to understand the thermal history of the area by using several dating methods.<br>     Thermoluminescence (TL) dating method was applied according to the distance from dykes or gushing out point of the hot springs which thought to be the center of alteration. The results show that the alteration age of Yunomine alteration zone is younger as it approaches the gushing out point of hot spring. No clear tendency was observed in other places. These results suggest that the alteration ages near Yunomine hot spring are controlled by the distance from the gushing out point. However, no clear tendency was observed at other hot springs between the alteration ages and the distance from the center of alteration when two or more activities of alteration have occurred.<br>     The results of the TL, Fission Track (FT) and K-Ar dating show that after the high temperature hydrothermal alteration (until tens of millions of years ago), relatively low temperature alteration (from at least hundreds of thousands of to tens of thousands of years ago) occurred in Hongu and Totsukawa area.
著者
宇野 泰章 寺西 清 礒村 公郎
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.19, no.Special, pp.63-70, 1990-03-26 (Released:2009-08-11)
参考文献数
10

The mode of occurrence of clay minerals and the interaction between hot waters and wall rocks in Arima and Takarazuka have been investigated by X-ray powder diffraction, microscopic observation and chemical analysis. The alteration halo can be divided into three zones, such as, zone I (chlorite-mica zone), zone II (silica zone) and zone III (mica-kaolinite zone). Low, medium and high-temperature waters are mainly located in zone I, II and III respectively. Calcite veinlets are present in drilling cores of zone I and II. The pH values of hot waters in zone II calculated on the basis of the calcite-brine equilibrium equations are higher than those in zone I. Partial CO2 pressure of hot waters are almost constant, indicating a 3.8 atmospheric pressure in zone I, and a 4.9 atmospheric pressure in zone II. The most important factor controlling the chemical composition of hot waters seems to be the calcite-brine equilibrium in wall rocks.
著者
奥原 洋人 有馬 眞 中村 栄子 金子 慶之 中野 孝教
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.166-166, 2008

神奈川県北西部丹沢山地の渓流水の溶存成分について2001-2008年にわたり調査・分析を行い、各溶存成分の経年変化と地殻変動の関係について評価した。地殻変動の指標として地震回数を用いた。2001-2008年の間、渓流水のpHは約4年周期で有意に変動していることが認められた。岩石・土壌起源と考えられる溶存成分間の相関を評価した。渓流水質は基盤地質を良く反映し、深成岩地域において、HCO3⁻とMg²⁺、Ca²⁺の間に有意の相関が、丹沢層群地域ではSO₄2-とanion当量との間に正の相関が、足柄層群地域ではHCO3-とSO₄2-とCa²⁺及びMg2+濃度間に正の相関が見られた。さらに、深成岩地域の断層にそって鉱泉水が認められ、その近傍の渓流水には、SO₄²⁻とCa²⁺、Mg2+間で正の有意の相関が見られた。2001-2008年に丹沢山地の地震観測点で得られた震度1以上の有感地震回数と渓流水質の相関を評価した。地震回数とpHとの間に良い相関が認められた。渓流水質のpHは、震源の位置に関わらず、地震動の回数に大きく影響されていると考えられる。さらに、地震回数と各溶存成分濃度との間にも有意の相関が認められた。堆積岩地域において、地震回数と渓流水のHCO3⁻およびMg²⁺との間に同位相で正の相関が見られた。一方、深成岩や丹沢層群地域では地震発生から半年遅れて地震回数と渓流水の多くの陽イオン及びHCO3⁻との間に正の相関が見られた。更にSO₄2-濃度の高い鉱泉水地点ではSO₄2-との間に良い正の相関が見られた。 このような、渓流水質と地震活動の間に認められた相関は、鉱泉水から渓流水へのフローが地震活動により変動したか、あるいは、基盤岩に存在する割れ目の風化面が地震活動により更新され、岩石に含まれる各種イオンの溶脱が活発になったことを示唆している。
著者
針谷 宥
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.204-207, 1955-05-30 (Released:2009-08-11)
参考文献数
4

増毛町歩古丹の鏡鉄鉱についてはすでに簡単に記載されている。本地産の鏡鉄鉱は昭和11年頃発見されたものであつたが,当時入手し得た試料が少数であつたため測定が出来なかつた。今回多数の試料を原田教授が入手されたので,それら試料について形態的研究を行つた。形態の完全な結晶は割合に少いので,なるべくよい試料37個を選んだ。測角は複円反射測角器を用い,c(0001)を基準面として行つた。
著者
砂川 一郎
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.543-556_4, 1958-09-30 (Released:2010-02-08)
参考文献数
21

On the basal plane of one crystal of hematite from an andesitic lava at Ayumikotan, Japan, three types of growth pyramids are described.First type, which is called the “tetrahedral” growth pyramid, consists of many closely spaced, thin, concentric, equi-lateral triangular growth layers. (Photo. 2, 5) On some of these growth pyramids spiral growth and interlacing can be observed. (Photo 5 a, b) On some growth pyramids the layers on one side of the triangular are produced into a peak suggesting the presence of an imperfect screw dislocation. (Photo. 5a) Measurement by multiple beam interferometry (Photo. 4) and fringes of equal chromatic order (Photo.3) show that thinnest growth layrs are 2.3Å thick (I/6 of the unit cell). Further details may be seen in Table 1.Second type is called the “triangular” growth layer. They are equi-lateral triangular growth layers on which no spirals have been observed. (Photo.7) It is suggested that growth took place by two-dimensional neucleation. The origin of the structure within the triangles and the linear arrangement of growth centres is described in the paper. (Photo.8, 9) At some distance from the growth triangles, a serrated structure, like sow-teeth, is developed. (Photo.6) This may also be seen around all growth pyramids of the first type. Measurements of thickness are shown in Table 3.In the third type of growth pyramids (Photo.10, 11) the thickness of the layersin different cases varies from 1 to 4 unit cell including thickness of 2n+1/2 unit cell (see Table4). These growth pyramids seem to be formed by screw dislocation, as there is a pit at the centre of each growth pyramid. The type of interlacing shown by these growth pyramids (Photo.11) suggests that polytypism may be present.From these observations it is deduced that this crystal has grown under the condition of comparatively high supersaturation.
著者
坂巻 景子 岩田 孟 宇都宮 聡
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 (ISSN:13486543)
巻号頁・発行日
vol.2010, 2010-09-23

放射性廃棄物処分において、ベントナイトは処分場特有の化学的条件下で変質し、バリア機能を失うことが懸念されている。本研究では高アルカリ条件下、硝酸ナトリウム存在下でベントナイトの変質挙動を明らかにすることを目的とした。実験は鉄片を埋めた圧縮ベントナイトをCa(OH)2飽和の模擬地下水と5.0 mol/L硝酸ナトリウム溶液に浸し、60度で7-21日間変質させた。分析はICP-AES、SEM、TEM、XAFSを用いた。分析から、鉄含有鉱物の生成や鉄ナノ粒子がベントナイト中に散在していることが明らかになった。また硝酸ナトリウムによってベントナイトは多孔質な物質に変化した。本実験に近い条件下で鉄ナノ粒子の生成が起きると、放射性廃棄物処分場において核種の拡散が促進される可能性があると考えられる。
著者
小林 正美 秋山 満知子 木瀬 秀夫 高市 真一 嶋田 敬三 伊藤 繁 平石 明 渡辺 正 若尾 紀夫
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.117-120, 1996-05-31 (Released:2009-08-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

Except for metal-free chlorophylls (pheophytins) functioning as primary electron acceptors in purple bacteria and in photosystem II of higher plants, all the naturally occurring chlorophylls have been believed to be magnesium complexes. To clarify the reason for the choice of Mg as the central metal of chlorophylls, we have systematically studied the absorption, fluorescence and redox properties of metallo-substituted chlorophylls, and concluded that Zn-substituted chlorophylls may act as both antenna and primary electron donor of photosystems. Quite recently, we discovered novel photosynthesis using Zn-containing bacteriochlorophyll a in an acidophilic bacterium Acidiphilium rubrum. This finding indicates an unexpectedly wide variability of photosynthesis.
著者
大藤 弘明 黒木 清
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.151-151, 2009

局所応力およびグラファイトの結晶度がグラファイト-ダイヤモンド相転移に及ぼす影響についてLHDAC実験と回収試料の微細組織観察より考察した.
著者
廣井 美邦 小林 栄一
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩鉱 (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.220-234, 1996 (Released:2006-11-25)
参考文献数
56
被引用文献数
4 6

Three polymorphs of Al2SiO5, andalusite, kyanite and sillimanite, occur in contact with each other, forming aggregates in a part of the Nishidohira pelitic metamorphics in the Hitachi area of the southernmost Abukuma Plateau. Textural relationships between the three polymorphs suggest that andalusite formed first probably as chiastolitic porphyroblasts, that kyanite and/or sillimanite grew subsequently at the expense of pre-existing andalusite, and that sillimanite continued to form even in the rock matrix thereafter. The andalusite-forming first stage may have been either a contact metamorphic event by unknown plutons or a regional metamorphic event of low-pressure type. The second kyanite and/or sillimanite-producing stage was induced by high-temperature loading, whereas the third sillimanite-forming stage possibly resulted from the contact metamorphism by the Nishidohira gabbroic intrusion exposed near Hase. Well-preserved growth zoning of garnet containing sillimanite inclusions in the andalusite-kyanite-sillimanite-bearing gneisses also indicates the high-temperature compression. The loading may be attributed to the overthrusting of the nearby Hitachi metamorphics onto the Nishidohira metamorphics. Such a P-T path of the Nishidohira metamorphics is similar to that of the Takanuki metamorphics in the central to southern part of the Abukuma Plateau. The widespread occurrence of texturally sector-zoned garnet in pelitic-psammitic rocks and the inferred short duration of high-temperature conditions are also in common to the Nishidohira metamorphics and the Takanuki metamorphics.
著者
阿部 なつ江 Ildefonse Benoit Teagle Damon Scientific Party IODP Exp.
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.106-106, 2011

モホ面を掘り抜き、マントルまでに到達する計画「モホール計画」は、発案から50年以上を経て、その実現に近づいている。2010年に行われた2つの国際ワークショップでは、それまでに議論されてきた科学目標を精査し、今後10年程度で開発可能な技術および掘削船「ちきゅう」の運用を見据えて、モホール計画において掘削可能な3つのサイト候補を選定した。さらにそのサイト候補の一つであるココスプレートSite 1256において、2011年4-6月にかけて行った掘削成果の速報を、それ以前の3回の掘削成果を交えて紹介したい。
著者
浦川 啓 松原 良輔 亀卦川 卓美
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.178-178, 2009

惑星の核を構成する物質の候補である鉄ニッケル硫化物の高圧物性の研究は重要である。我々は硫化物の高圧相,Ni3Sを発見した。その安定性と構造について放射光を用いたその場X線観察から調べた。その結果,Ni3SはFe3S相と同じFe3P型の構造をとることが分かった。Ni3S相の安定領域は6GPa以上で,それ以下の圧力ではNiとNi3S2相に分解する。また,700K以上の温度ではNiと液に分解溶融した。溶融温度は圧力とともに上昇し,その安定領域が広がっていくことが確認された。これらの結果からNi3SとFe3Sは完全な固溶体を形成し,NiがFe3S相に固溶することによりその安定領域だけでなく体積弾性率などの物性も変化していくことが予想される。
著者
山川 純次 川瀬 雅也 斎藤 直
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.236-236, 2010

β-ウラノフェン, Ca(UO2)2(SiO3OH2)·5H2O は産出が稀な含水カルシウムウラン珪酸塩鉱物で,ウランに富む鉱物の酸化により生成すると考えられている。今回,鳥取県東伯郡湯梨浜町方面(かたも)に存在した東郷鉱山方面坑道(1966 年閉鎖)の内壁から1961 年(昭和36 年)4 月に採集されたサンプルについてエネルギー分散γ線スペクトルを測定し核種を同定したので報告する。γ線スペクトルの測定には,大阪大学ラジオアイソトープ総合センター豊中分館・測定室に設置されているγ線スペクトル測定装置を使用した。得られたγ線スペクトルの解析を定性的に行い試料中の放射性核種の同定を行った。その結果,238U 系列の核種のみが同定された。今後はこの試料の化学組成,IR スペクトル吸収特性,結晶構造などを検討し,東郷鉱山産β-ウラノフェンの鉱物学的特徴を検討して行きたい。
著者
柚原 雅樹 鮎沢 潤 大平 寛人 西 奈保子 田口 幸洋 加々美 寛雄
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.275-287, 2005-11-30
被引用文献数
3 5

The Cretaceous granitic rocks, the Kitazaki Tonalite and Shikanoshima Granodiorite, and veneer Oligocene sedimentary rocks, the Tsuyazaki Formation, are distributed in the Watari Peninsula, Fukuoka Prefecture. There are mineral veins composed by calcite and zeolites in those rocks. Rb-Sr, and fission track geochronological analyses were carried out for granitic rocks, in order to determine the cooling process of granitic rocks and timing of hydrothermal activity. Biotite and felsic fraction separated from the Kitazaki Tonalite and Shikanoshima Granodiorite give Rb-Sr isochron age of 108.6 ± 2.5 Ma and 107.0 ± 0.7 Ma, respectively. Fission track ages from the Kitazaki Tonalite are 97 Ma (titanite), 89-88 Ma (zircon), 14 Ma (apatite). Fission track ages from the Shikanoshima Granodiorite are 95 Ma (titanite), 87-84 Ma (zircon), 15 Ma (apatite). Fission track ages of apatite from granitic rocks are younger than the Tsuyazaki Formation, which suggests a thermal event at about 15 Ma to reset the fission track apatite age. The homogenization temperature of fluid inclusions in calcite are 89-111 °C (Kitazaki Tonalite), 95-118 °C (Shikanoshima Granodiorite) and 85-91 °C (Tsuyazaki Formation). Sr isotopic compositions of calcite and zeolites in granitic rocks and Tsuyazaki Formation are overlap with one another. These data suggest that vein minerals in granitic rocks and zeolites and calcite in the IC Member of the Tsuyazaki Formation were formed by a series of hydrothermal activity at about 15 Ma.
著者
櫻井 欽一
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.55-57, 1954-09-30 (Released:2009-08-11)
参考文献数
3