著者
園生 雅弘 東原 真奈
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1080-1082, 2014 (Released:2014-12-18)
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

線維束自発電位(FP)は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の特徴的所見として古くから知られていた.本稿では,fasciculationとFPの歴史をまず論ずる.FPはALS以外の神経原性疾患では,伝導ブロックを呈する一部の疾患を除けばあまりみられない.すなわち,ALS診断における特異度が高く有用である.改訂El Escorial基準ではFPの意義は過小評価されていたが,Awaji基準では再評価されたことは歓迎される.FPの鑑別対象としてもっとも重要なのは随意収縮MUPの残存である.その鑑別は発火リズムでなされる.FPの発火リズムは,低頻度,きわめて不規則で,しばしばクラスターを示す.これに対して,随意収縮MUPはsemiregularな発火リズムで特徴付けられる.
著者
東原 真奈
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

【目的】小児神経筋疾患の診断にClustering Index(CI)法の有用であるかを検討する【方法】対象は神経筋疾患の患児39名(神経原性疾患15名,筋疾患24名,年齢8.8±4.1歳).前脛骨筋における1秒間の随意収縮活動記録(epoch)を1名につき20~50個記録し,CIおよびareaを算出した.【結果】神経原性疾患836 epochと筋疾患992epochを解析.本法により神経原性疾患7名,筋疾患14名を正しく診断可能で,特に脊髄性筋萎縮症で7名中4名,Duchenne型筋ジストロフィーでは12名中9名が判別できた.【結論】CI法は小児神経筋疾患の鑑別診断において有望な方法である.