著者
三宅 麻由 衣笠 万里 西尾 美穂 松井 克憲
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.31-36, 2021 (Released:2021-05-10)
参考文献数
21

ケタミン塩酸塩は日本では麻薬に指定されているが,われわれは産科病棟に常備して緊急時に使用してきた.2007年1月から2018年12月までに同病棟でケタミンによる静脈麻酔を行った32症例について,その有効性と安全性を評価した.22例は胎盤用手剥離術施行例であり,出血量は平均1,096mLであったが,輸血例はなかった.それ以外は分娩後子宮出血止血処置が3例,腟裂傷・血腫の止血処置が4例,III度およびIV度会陰裂傷縫合が3例であった.計5例に輸血を要したが,その後の回復は良好であった.ケタミン使用量は30~80mg(平均43mg)であり,単独でも良好な鎮痛・鎮静効果が得られ,血圧低下・呼吸停止・誤嚥はみられなかった.またケタミン投与後の授乳による新生児への影響は認められなかった.ケタミンは有効かつ安全な麻酔薬であり,母体救命の視点から緊急時にはただちにアクセスできることが望ましい.
著者
信正 智輝 池田 真規子 黄 彩実 別宮 史子 白神 碧 松井 克憲 高石 侑 増田 望穂 松尾 精記 安堂 有希子 佐藤 浩 田口 奈緒 廣瀬 雅哉
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.282-288, 2022 (Released:2022-09-09)
参考文献数
20

[目的]セプラフィルム®の帝王切開術における癒着防止効果を前方視的に検討した. [方法]初回帝王切開術を当科で施行し,今回2回目の帝王切開術を予定している症例を対象とした.臨床背景,癒着の程度,および母児の転帰をセプラフィルム®使用群と非使用群で比較検討した. [結果]初回,2回目とも当科で帝王切開術を施行した136例から,初回帝王切開術を妊娠32週未満に実施した14例と今回の帝王切開術で術中の癒着評価記録が行われなかった4例を除く118例を解析対象とした.解析対象の118例を初回帝王切開術時セプラフィルム®使用群(46例)と非使用群(72例)で比較検討した.セプラフィルム®使用群で大網-腹壁間,あるいは子宮-大網間に2度以上の癒着を有するものは有意に少なかった.執刀-児娩出時間,総手術時間,術中出血量,臍帯動脈血pHに差は認めなかった. [結論]セプラフィルム®による大網が関連する中等度以上の癒着を抑制する効果を認めたが,母児の臨床転帰に差は認めなかった.
著者
松井 克憲 鹿野 共暁 長橋 ことみ 大川 直子 有澤 奈良 成瀬 香織 鈴木 留美 稲本 裕
出版者
静岡産科婦人科学会
雑誌
静岡産科婦人科学会雑誌 (ISSN:21871914)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.126-130, 2019-09

ペグフィルグラスチムは持続性のG-CSF刺激作用を保持し、末梢血中の白血数を増加させる働きをもつ。症例は55歳。再発卵巣癌に対して、DC療法 (ドセタキセル70 mg/m2+カルボプラチン AUC≓ 5) とペグフィルグラスチムを投与中であった。DC療法4コース投与後に発熱と全身倦怠感を主訴に来院した。抗菌薬投与を行ったが、解熱を認めなかった。精査目的に撮影した造影CTで胸部大動脈の壁肥厚と左側優位の両側胸水貯留を認めたため、大動脈炎と診断し、プレドニゾロンの投与を開始した。症状はただちに軽快し、大動脈の壁肥厚も改善した。がん化学療法時に発熱とCRPの上昇を認めた症例は、細菌感染症以外にも血管炎を考慮する必要がある。
著者
山内 慎 西森 正志 西嶋 直人 新谷 一也 松本 恭徳 松井 克憲
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.35-38, 2011-07-31

本研究は,画像認識技術を用いた列車運転士用支援システムを開発することを目的とし,ラボスケールで実施できる鉄道模型用の標識認識システムを作成した.本技術は,実車において運転士の目視による安全確認時の支援用ツールとして提案できるものである.本システムでは,画像認識用の標識を模型車両の車載カラービデオカメラによって動画撮影し,PCにキャプチャーし,画像認識ソフトウェアによりリアルタイム処理した後,標識で決められた音を自動的に鳴らす仕組みを実現した.画像認識用の標識はRGBの3原色を用いて5段の横縞状にデザインし,16種類作成した.標識サイズは8mm角とした.画像認識処理法には投票処理法を用いた.認識手順は,1)16種類の標識に投票箱を用意し,2)ピクセル毎にRGBの輝度値を調べ,3)最大値を持った色をその位置での色とし,4)最終的に一番多い票を獲得した標識番号が出力され,5)認識した標識画像をPC画面に表示し,6)標識で指定された音を鳴らすとした.楕円形の軌道上に「鉄橋」,「踏切」,「カーブ」部を設け,それぞれの開始,終わりの標識を進行方向右側に設置したコースを作成して実験した.その結果,実車スケール速度40km/h相当での走行時の標識認識率は100%であった.