著者
岩野 優樹 山内 慎 上村 匡敬 金田 忠裕 西 高志
出版者
大阪府立工業高等専門学校
雑誌
大阪府立工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:0387365X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.57-63, 2006-07-30

本校システム制御工学科において4年生で展開する「基礎研究」は,学科設立当初より「ものづくり」教育の一環として,ロボット製作を主テーマに課題を設定し,種々のロボットを製作してきた.2005年度は,ここ数年世界各地で大小様々な災害が多数発生しているという社会情勢を踏まえ,災害現場の情報収集を行うことを主目的に「小型飛行機による災害監視システムの製作」とした.本稿では,2005年度に実施した「基礎研究」を紹介し,各班の成果を事例に挙げ,その教育的効果について述べる.
著者
山内 慎 西森 正志 西嶋 直人 新谷 一也 松本 恭徳 松井 克憲
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.35-38, 2011-07-31

本研究は,画像認識技術を用いた列車運転士用支援システムを開発することを目的とし,ラボスケールで実施できる鉄道模型用の標識認識システムを作成した.本技術は,実車において運転士の目視による安全確認時の支援用ツールとして提案できるものである.本システムでは,画像認識用の標識を模型車両の車載カラービデオカメラによって動画撮影し,PCにキャプチャーし,画像認識ソフトウェアによりリアルタイム処理した後,標識で決められた音を自動的に鳴らす仕組みを実現した.画像認識用の標識はRGBの3原色を用いて5段の横縞状にデザインし,16種類作成した.標識サイズは8mm角とした.画像認識処理法には投票処理法を用いた.認識手順は,1)16種類の標識に投票箱を用意し,2)ピクセル毎にRGBの輝度値を調べ,3)最大値を持った色をその位置での色とし,4)最終的に一番多い票を獲得した標識番号が出力され,5)認識した標識画像をPC画面に表示し,6)標識で指定された音を鳴らすとした.楕円形の軌道上に「鉄橋」,「踏切」,「カーブ」部を設け,それぞれの開始,終わりの標識を進行方向右側に設置したコースを作成して実験した.その結果,実車スケール速度40km/h相当での走行時の標識認識率は100%であった.
著者
山内 慎子 MENG Xin
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究では、中国において農村出身の労働者が都市へ移住することによりその子供たちの学力や健康にどのような影響が生じるかを分析した。都市へ移住する安価な労働力は中国の急速な経済成長を支えてきたが、その裏で農村に残った子供は親と離れることから生じる問題を抱え、学力低下や健康状態の悪化が懸念されていた。我々の独自のパネルデータを基にした実証分析を行い、親の出稼ぎ期間が長いほど子供の身長・体重や学業成績が低まる傾向があることを示した。またこうした家庭では、子供が家で勉強時間がとれていなかったり同じ学年を複数回履修していることも見て取れた。これらの結果は数々の学会で報告され国際的に広く発信された。
著者
小笠原 昭彦 甲村 和三 宮崎 光弘 牛田 洋一 山内 慎吾
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.45-54, 1989-12-28
被引用文献数
3

筋ジストロフィーおよび気管支喘息患児を対象に,自己意識についての質問紙調査を実施した。質問紙は,自己意識・心理的ストレスに関する42項目と病気・入院生活についての8項目を加えた50項目から成る自己評定形式のものである。比較対照群は,健常な中学生・高校生・大学生である。健常大学生群の結果の因子分析から,「情緒性」「共感性」「対人関係」「自己信頼感」「目標志向性」の5因子が抽出できた。健常群に比べ,筋ジストロフィー群では感情の統制面での困難さ,対人関係での消極さなどが目立った。喘息群では,感情の不安定さ,感情統制の困難,過剰な共感性,投げやりな傾向,病気に対する「罪悪感」といった傾向が強かった。筋ジストロフィー群よりも喘息群で,自己意識の形成の上での問題点があることが示された。