著者
善国 信隆 岩坪 健治 松井 幸雄 石谷 宏和 小熊 幸一
出版者
Japan Society of Ion Exchange
雑誌
日本イオン交換学会誌 (ISSN:0915860X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.44-48, 1999-08-31 (Released:2010-03-18)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

淡水中のホウ素をフッ化水素酸系陰イオン交換法により濃縮し, ICP発光分析法で測定する方法を開発した。試料水にフッ化水素酸を添加し, 陰イオン交換樹脂カラムに通してホウ素をカラムに捕集する。次いでホウ素を硝酸でカラムから溶離し, ICP発光分析法 (182.6nm) で測定する。本法を市販飲料水に適用したところ, ホウ素の定量値は産地により異なり, 10~70ngBcm-3が得られた。また, 約50ngBcm-3の定量における相対標準偏差 (n=4または5) は7~12%であった。
著者
松井 幸雄 木村 修二 小酒 英範
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

噴射率選定自由度及び制御応答性に優れている燃料噴射系であるコモンレール式を基本に、単発噴射化の改良、燃料噴射圧の向上をまず始めに進めた。単発噴射化は噴射コントローラーの改造と制御プログラムの開発によって対応した。また噴射圧力の向上は特設の増圧ユニットの新規開発によって実現した。上記燃料噴射系の単体性能試験に拠れば、最大噴射圧力は175MPaに至った。一方、噴射率制御に関しては、パイロット噴射、スプリット噴射、N回分割噴射が可能であることを確認した。予圧サプライポンプ、急速圧縮膨張装置の駆動、燃料噴射等の同期を具現化するためのコンピュータ制御システムを完成し、当該噴射系を急速圧縮膨張装置に組み込み、燃焼実験に供した。その結果、着火遅れ期間は噴射圧力の向上やノズル噴孔径の縮小につれて短縮されること、今回の実験範囲では噴射圧力の向上に対する着火遅れ期間短縮傾向は飽和領域に至っていないこと、パイロット噴射によると主噴射燃料の燃焼による燃焼器内圧力上昇率が緩和されること、分割噴射に呼応して複数回熱発生率が出現するものの、遅い噴射に対する熱発生率が緩慢になるなどの挙動が確認できた。さらに、ノズル仕様が噴霧燃焼の燃焼室壁面への熱損失に与える影響を急速圧縮膨張装置による燃焼実験で明らかにするために、ノズルの噴孔径・噴孔数・噴射方向などが燃焼効率と熱損失割合に与える効果の定量的な把握を試みた。その結果、噴霧火炎と燃焼室壁面の接触を極力回避することを狙い、小噴孔径化と噴孔数増加を組み合せると、熱損失は減少するものの、各噴霧間の相互干渉に起因すると考えられる燃焼効率の低下が見られること、この燃焼効率低下を避けるために、噴射角度の異なる噴孔2種を組み合せた二段型ノズルでは、燃焼効率は改善するが、逆に熱損失割合は顕著に増大するなどの実験的事実を得た。