著者
李 崇至 谷内 昇一郎 松井 美樹 多賀 陽子 郷間 環 榎本 真宏 今出 礼 西野 昌光
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.205-213, 2020-06-20 (Released:2020-06-19)
参考文献数
23

【目的】小児領域におけるアナフィラキシーおよび二相性反応に関しての報告は少なく,詳細は不明である.当院で経験した症例を検討し,二相性反応の実態を明らかにする.【方法】2015年-2018年に当院外来からアナフィラキシーの診断で入院となった201症例を対象とした.患者背景,原因,症状,治療および二相性反応も含めた臨床経過について診療録を用いて後方視的に検討した.【結果】対象は201例.原因は食物158例,薬物2例,動物1例,不明39例であった.初期治療でアドレナリン筋注を行った例は132例(66%)であった.二相性反応は9例(4.5%)であった.二相性反応のリスク因子として月齢(p=0.028)とアドレナリン筋注(p=0.028)に多変量解析で統計学的有意差を認め,オッズ比(95%信頼区間)は1.01(1.0-1.3)と0.19(0.044-0.026)であった.【結論】小児アナフィラキシーにおける二相性反応の頻度を明らかにした.初期治療としてのアドレナリン筋注の重要性を改めて認識させられた.
著者
大塚 英作 平野 雅章 古門 麻貴 田名部 元成 橋本 雅隆 松井 美樹
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

電子商取引の本格化によって新しいビジネスモデルが提唱され、これを実現するためのサプライチェーン・マネジメントのあり方が議論されはじめている。海外の事例としてウォルマートを、国内の事例として株式会社しまむらを取りあげ、小売業態を起点とするサプライチェーンにおけるロジスティクス・ネットワークの構造とオペレーションについて検討した結果、小売業態を起点としたサプライチェーンに、構造上・オペレーション上の特長を見出すことが出来、中間流通における物流機能の高度化は、小売業態の設計の中に組み込まれてはじめて可能になることが理解された。サプライチェーンの革新的効率化の道具として注目されているRFID(無線タグ)についても広範なサーベイを行い、その問題点、技術的課題、応用可能性などについて検討を行った。また、伝統的な企業(ブリック&モルタル)が情報技術をフルに活用する企業(クリック&モルタル)に移行(「ネットトランジション」と呼びます)するには、単にホウムペイジを作成すればよいわけではなく、企業がおかれた競争環境の他に企業自身の組織能力を見極め、自社の優位性を活かし不利をカヴァーするような、戦略と一体となった情報システムの使い方を編み出すとともに、一旦設定された戦略と情報システムの組み合わせも、競争環境や技術の変化に対応して見直していく必要もあるわけであるが、本研究では、既存企業が戦略的に情報システムを活用するためのネットトランジションの戦略パターンおよびネットトランジションに必要な組織能力・ネットトランジションプロセスのマネジメントのあり方について検討した。これらの成果を実験的に検証するためのシミュレーターとしてビジネスゲームを構築した。さらに、本研究では、これからの企業情報システムとして期待されるERPサーバーを実際に稼動させ、その可能性や操作性、新しいビジネスモデルやサプライチェーンへの応用などについて経験を積むことが出来た。