著者
清水 たくみ 平野 雅章
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2020年全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.269-272, 2021-01-28 (Released:2021-01-18)

ICT投資は経済・企業成長の主要な要因としての役割を果たし続けている。マクロレベルでのICT投資の正の影響については合意が形成されつつある一方、ミクロレベルでどのような組織がICT投資を成果に結びつけているかについては統一的な見解が得られていない。そこで本研究では「デジタル文化資本」概念に着目し、ICT投資成否を左右する組織要因について明らかにする。日本企業に対する大規模サーベイ調査のパネルデータ分析を行った結果、ICT投資は組織内デジタル文化資本の高低に応じて企業業績に与える影響が変化することが示された。本研究により、ICT投資と企業業績の関係性に関する新たな理論的・実証的貢献がもたらされた。
著者
平野 雅章
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.271-274, 2019-12-25 (Released:2019-12-23)

従来の「科学研究の研究」では、国または研究者および研究チームを分析単位として、説明変数としてのインプットとして予算、制度や科学者・研究者等を、被説明変数としてのアウトプットは研究成果(論文、特許など)を考え、それらの間の関係を分析してきた。本研究では、分析単位として従来見過ごされてきた大学や研究所などの研究機関(組織)を取り上げ、経営学の知見を援用することにより、研究機関の組織特性をモデレイタとして、組織特性が研究成果に及ぼす影響を、定性的かつ定量的に分析するモデルを作成する。
著者
大塚 英作 平野 雅章 古門 麻貴 田名部 元成 橋本 雅隆 松井 美樹
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

電子商取引の本格化によって新しいビジネスモデルが提唱され、これを実現するためのサプライチェーン・マネジメントのあり方が議論されはじめている。海外の事例としてウォルマートを、国内の事例として株式会社しまむらを取りあげ、小売業態を起点とするサプライチェーンにおけるロジスティクス・ネットワークの構造とオペレーションについて検討した結果、小売業態を起点としたサプライチェーンに、構造上・オペレーション上の特長を見出すことが出来、中間流通における物流機能の高度化は、小売業態の設計の中に組み込まれてはじめて可能になることが理解された。サプライチェーンの革新的効率化の道具として注目されているRFID(無線タグ)についても広範なサーベイを行い、その問題点、技術的課題、応用可能性などについて検討を行った。また、伝統的な企業(ブリック&モルタル)が情報技術をフルに活用する企業(クリック&モルタル)に移行(「ネットトランジション」と呼びます)するには、単にホウムペイジを作成すればよいわけではなく、企業がおかれた競争環境の他に企業自身の組織能力を見極め、自社の優位性を活かし不利をカヴァーするような、戦略と一体となった情報システムの使い方を編み出すとともに、一旦設定された戦略と情報システムの組み合わせも、競争環境や技術の変化に対応して見直していく必要もあるわけであるが、本研究では、既存企業が戦略的に情報システムを活用するためのネットトランジションの戦略パターンおよびネットトランジションに必要な組織能力・ネットトランジションプロセスのマネジメントのあり方について検討した。これらの成果を実験的に検証するためのシミュレーターとしてビジネスゲームを構築した。さらに、本研究では、これからの企業情報システムとして期待されるERPサーバーを実際に稼動させ、その可能性や操作性、新しいビジネスモデルやサプライチェーンへの応用などについて経験を積むことが出来た。
著者
飯島 淳一 妹尾 大 蜂谷 豊彦 平野 雅章
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、大規模な実態調査にもとづき、プロセス志向性、知識創造能力などの組織特性がイノベーション経営度やICT利活用効果との関連性を検証し、「プロセス志向度の高い企業は業界内で比較優位にあり,ICTを有効に活用している」ことや「表出化活動の実施度合いが他の活動と比して低い組織はIT投資成果を得にくい」などの結果が得られた。