- 著者
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四方 裕夫
上田 善道
野口 康久
松原 純一
- 出版者
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
- 雑誌
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery (ISSN:09190945)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.7, pp.735-739, 2003-11-15
- 参考文献数
- 14
大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症に対する大動脈弁置換術後1年6ヵ月の64歳, 男性.退院後の通院中に胸部異常陰影を指摘され, 経過観察中に陰影の増大を認めた.症状はなく, 血液検査に異常なく, 胸部CTで縦隔に7cmの腫瘤と<SUP>67</SUP>Gaシンチで同部に強い集積を認めた.抗凝固剤をワーファリンよりヘパリンに代えてVATSを行った.術中病理で悪性腫瘍を疑い, 胸骨正中切開に変更した.左無名静脈を一時的に切離, 腫瘤を完全切除した後再建した.組織病理・組織免疫学的検討で転移腫瘍は否定され, 原発性胚細胞腫 (精上皮腫) と判明し, 浸潤・転移はなかった.術後経過は順調で退院し, 約1ヵ月後にBEP療法 (Cisplatinum, Etoposide, Bleomycin) を施行した.白血球数400/μ<I>l</I> (好中球20%) の骨髄抑制が生じたが, G-CSF投与により正常化して退院した.現在元気に通院中である.