著者
山川 烈 内野 英治 平川 克己 松山 敏剛 渡辺 寿美子 野上 ナヲエ
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
Biomedical fuzzy and human sciences : the official journal of the Biomedical Fuzzy Systems Association
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.71-79, 1995-07-07
被引用文献数
1

ハフ変換はノイズに埋もれた画像から直線を検出する有効な手法である.しかし, 従来のハフ変換ではノイズが多くなると直線を検出するのが困難になる.本論文では, ノイズの多い画像中の, いわゆるぼやけた直線や, 有界な線分(始点と終点)をも検出できる組合せファジィハフ変換を提案する.さらに, この手法を拡張しノイズに埋もれた円の検出も可能にした.本手法の有効性は細胞診に用いる顕微鏡画像への適用により確認された.
著者
松山 敏剛 松隈 敬太 塚本 直樹 柏村 正道 柏村 賀子 木寺 義郎 岩坂 剛 井上 功 杉森 甫
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.196-202, 1982-02-01

1973年より1980年までの8年間に,広汎性子宮全摘術を施行した396症例中,術後摘出標本の子宮頚部亜連続切片の病理組織検索で,初期浸潤癌,あるいは,それより軽度の病巣しか認めなかった症例62例を発見した.これらの症例は術前,浸潤癌と診断して(Ib期54例,IIb期8例)手術を行なったにもかかわらず,実際は初期浸潤より軽度の病巣しか無かったわけで,術前の生検診断の誤りと考えざるを得ない.そこで術前の生検標本を再検討した結果,生検標本を誤まって真の浸潤癌と診断した原因として,1.腺管内侵襲を深い浸潤と間違った.2.標本がtangentialに切れているために浸潤と間違った.の二大原因が考えられた.さらに,生検の小切片のみでは,浸潤癌であることは診断できても,それが初期浸潤であるか,真の浸潤であるかの鑑別は困難であることが多いことも判った.そこで,同時に行なった細胞診,コルポ診の診断を調べてみると,いずれか一方が真の浸潤癌を否定した症例は44.2%,両者共真の浸潤癌を否定した症例は37.2%であった.少なくとも,コルポ診,細胞診共に真の浸潤癌を否定し,生検のみ真の浸潤癌と診断した場合は,円錐切除診を行在い,over diagnosisを防ぐべきであったと考えられた.癌の診断における生検診断のover diagnosisの可能性については過去にあまり注目されていないが,前述した様な可能性を考慮に入れて,臨床医は生検診断を鵜呑みにせずに,細胞診,コルポ診,臨床所見を総合して,疑問があったら積極的に円錐切除診を行なう態度が必要であろう.