- 著者
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坂本 優子
本田 由佳
時田 章史
鈴木 光幸
荻島 大貴
松岡 正造
- 出版者
- 順天堂大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2018-04-01
300人の対象者のリクルートを終え、ほぼ全員の血液検査・栄養アンケート・紫外線暴露量アンケート・ビタミンD関連遺伝子多型の結果が出そろった。現在、データ解析中であるが、いくつか興味深い結果が出ている。対象妊婦のエネルギー充足率の平均は71.2%であり、足りていなかった。25(OH)Dの中央値は10.3 ug/m Lであり、90%が<20 ng/mLだった。25(OH)Dの中央値で2群に分けると,紫外線からのVitD生成量は中央値未満群で、中央値以上群より有意に少なかった(p<0.05)。食事からのビタミンD摂取量は25(OH)Dと相関しなかったが、紫外線からの生成量はよく相関した。ビタミンD結合タンパクの遺伝子多形が血中25(OH)Dと関連していた。これらの結果から、妊婦のほとんどがビタミンD不足であること、エネルギー必要量が足りていないことが発覚し、妊婦の健康を守上でも食事を見直す必要があった。ビタミンD不足の原因を考える上で、紫外線からの生成量の少なさには注目すべきであり、紫外線を避ける傾向にある妊婦に正しい指導が必要であると考える。対象妊婦とメールで連絡を取り合い、生まれた子どもたちのあしの写真と栄養アンケート・紫外線暴露量アンケートを収集している。回答率は概ね80%を超えており、良好である。生後3ヶ月のTibio femoral angle(TFA)は6.5度95%CI 5.3度で内反の狭い範囲の中に収まっていた。TFAと母体の血液検査値との間に相関は認めなかった。写真による計測ではあるが、今後、生後6ヶ月、1年、1年半と縦断的に下肢アライメントを測定する今回の研究は、下肢アライメントの変化を表す貴重なデータとなる。