著者
松岡 資明
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.20-24, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
9

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に関する国の対応が、公文書管理法に基づき初の「歴史的緊急事態」に指定された(2020年3月10日)。記録の作成・保存が義務づけられたが、医学的見地から政府に助言などを行う感染症対策専門家会議の議事録は作られていなかった。東日本大震災に関連して政府が主催した主要な会議で議事録が作られなかった事態の改善策として2012年6月、公文書管理ガイドラインを改正したことがそもそもの始まりだ。だが、その後に起きた政権交代、第二次安倍政権による特定秘密保護法制定など様々な政治的要因が作用した結果、発言者や発言内容を具体的に記した議事録ではなく議事概要にとどめる運用が横行することになった。
著者
松岡 資明
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.11, pp.107-124, 2015-03-13

世界に大きく遅れていた公文書管理法制が始動したばかりの段階で、逆行する動きが広がる懸念が生じている。2014年12月10日に施行になる特定秘密保護法である。すべての公文書は秘密も含めて、国が目指す方向や理念に基づき、一定の基準のもとに作成、保存・管理、活用されなければならない。そのために、どのようなことが必要なのかを探った。The Secrecy Protection Act will be enforced in December 2014. The problem of this bill that the secret specified may spread boundlessly. If historically important even if it is secret information, it needs to be someday opened to the public. The Public Records and Archives Management Act which was enforced in April 2011 guarantees it. However there are many issues which should conquer in The Public Records and Archives Management Act. I studied how to improve the guidelines that prescribe the practical use of the law.