著者
松本 義之
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2005-02

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2023号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2005/3/15 ; 早大学位記番号:新3974
著者
松本 義之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会誌 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.115, 2016

<p>コンピュータプログラムが市場動向に対応し,自動的に証券売買や為替取引のための注文を繰り返し行い,金融商品の取り引きを行うことをアルゴリズム取引という.このアルゴリズム取引は,1990年代以降にアメリカの金融取引市場から始まり,日本の金融取引市場でも普及してきている.</p><p>アルゴリズム取引では,コンピュータプログラムが自動的に売買を行うため,1秒間に数千回の頻度で売買を行う超高速取引(High frequency trading : HFT)が可能である.2010年5月にアメリカ・ニューヨーク市場のダウ平均株価が数分間に約1,000ドル下落した後,すぐに元の水準までもどる「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれる現象が起きた.この現象は,アルゴリズム取引が原因の一部であると考えられている.また,東京証券取引所の株式売買システムである「arrowhead」は,売買注文の応答を0.5ms 未満で行うことができるが,その取り引きの6割以上はコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引であるとされている.こういったコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引が市場の不安定要因になっているとの指摘もあり,欧米や日本では規制を行う動きも出ている.</p><p>アルゴリズム取引には人工知能技術も応用されている.証券取引を行うトレーダーの知識を人工知能に学習させ,人間の代わりに証券取引を行うことが可能となっている.これまでは,トレーダーが市場動向を調査し,その分析結果に基づいて証券投資を行ってきた.人工知能技術による取り引きでは,これらの市場分析をコンピュータプログラムが行い,自ら判断して投資を行う.超高速取引のような短期間の売買だけではなく,長期間に渡る資金運用についても人工知能を応用したコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引が利用されつつある.</p>
著者
松本 義之 和多田 淳三
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.209-217, 1998-10-15 (Released:2017-11-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

規則性を見出しにくいデータを予測する方法に, カオス理論に基づく時系列データの短期予測がある.これは, 従来ランダムに推移すると思われていた時系列データをTakensの埋め込み定理を用いてアトラクタを多次元空間に再構成することにより, 短期予測を可能としている.しかし, ランダムプロセスと異なる幾何学的性質を持つ時系列データでも, 低次元のカオス性を示さない時系列データをカオスで予測することは困難である.そこで, 本研究では, それに関連する別の時系列データを同時に埋め込むことにより, 予測を行いたい時系列データのカオス性を抽出し, 予測精度を向上させることを目的としている.また, 本手法の有用性を示すため, 東京証券株式市場の日経平均株価の短期予測についてシミュレーションを行っている.
著者
松本 義之 和多田 淳三
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.44-52, 2004-02-15
被引用文献数
1

規則性を見出しにくいデータを予測する方法に,カオス理論に基づく時系列データの短期予測がある.これは,従来ランダムに推移すると考えられていた時系列データをTakensの埋め込み定理を用いてアトラクタを多次元空間に再構成することにより,短期予測を可能としている.しかし,ランダムプロセスと異なる幾何学的性質を持つ時系列データでも,低次元のカオス性を示さない時系列データをカオスで予測することは困難である.そこで,本研究では,予測するデータに関連する別の時系列データを同時に埋め込むことにより,予測を行いたい時系列データのカオス性を抽出し,予測精度を向上させる.また,ユークリッド距離を考慮したカオス予測手法に対して,そのあいまいな情報を扱うためにファジィ理論を適用する.そして,これらの手法に対して東証日経平均株価を予測するシミュレーションを行い,その有効性を明らかにする.さらに,用いたファジィ理論における前件部メンバーシップ関数の生成のために組み合わせ最適化の手法の一種である遺伝的アルゴリズムを用い,より簡単に予測モデル構築をする.