著者
星野 怜旺 椎名 孝之 森戸 晋 今泉 淳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会誌 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.652-657, 2018-08-15
被引用文献数
1

<p>本研究では,プロ野球において,球団間の未消化試合数の差ができるだけ小さくなるようなスケジュールの作成を目的とする.確定的なスケジュールの作成のみにとどまらず,雨天中止という不確実性を考慮したスケジュールを考える.まず整数計画法によりスケジュールを生成する.そして雨天中止を考慮することにより,球団間の未消化試合数の差の最小化を図る.本研究では,実際の日程と比較して全体の未消化試合数を抑えるとともに,各チームの最大値と最小値の差も抑えることが出来た.これにより,球団間の未消化試合数の差を抑制できた.</p>
著者
國近 秀信 松田 瑞生 平嶋 宗 竹内 章
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会誌 (ISSN:18817203)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.310-318, 2007-04-20

探求的学習においては,学習の結果として生じた興味や疑問を追求することでさらに新たな情報を獲得したり,既有の情報を再構成したりすることが重要である.本論文では,Webを利用したe-Learningにおける教材外への探求的学習の支援を目的として,あらかじめ用意された教材への情報追加および学習者自身の理解を反映した教材の再構成による教材の成長活動を可能とする学習支援環境の実現について述べる.また,本学習支援環境の実用性および学習への有用性の確認のために実施した評価実験についても報告する.
著者
松本 義之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会誌 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.115, 2016

<p>コンピュータプログラムが市場動向に対応し,自動的に証券売買や為替取引のための注文を繰り返し行い,金融商品の取り引きを行うことをアルゴリズム取引という.このアルゴリズム取引は,1990年代以降にアメリカの金融取引市場から始まり,日本の金融取引市場でも普及してきている.</p><p>アルゴリズム取引では,コンピュータプログラムが自動的に売買を行うため,1秒間に数千回の頻度で売買を行う超高速取引(High frequency trading : HFT)が可能である.2010年5月にアメリカ・ニューヨーク市場のダウ平均株価が数分間に約1,000ドル下落した後,すぐに元の水準までもどる「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれる現象が起きた.この現象は,アルゴリズム取引が原因の一部であると考えられている.また,東京証券取引所の株式売買システムである「arrowhead」は,売買注文の応答を0.5ms 未満で行うことができるが,その取り引きの6割以上はコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引であるとされている.こういったコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引が市場の不安定要因になっているとの指摘もあり,欧米や日本では規制を行う動きも出ている.</p><p>アルゴリズム取引には人工知能技術も応用されている.証券取引を行うトレーダーの知識を人工知能に学習させ,人間の代わりに証券取引を行うことが可能となっている.これまでは,トレーダーが市場動向を調査し,その分析結果に基づいて証券投資を行ってきた.人工知能技術による取り引きでは,これらの市場分析をコンピュータプログラムが行い,自ら判断して投資を行う.超高速取引のような短期間の売買だけではなく,長期間に渡る資金運用についても人工知能を応用したコンピュータプログラムによるアルゴリズム取引が利用されつつある.</p>