著者
飯田 宏樹 松本 茂美
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.033-040, 2013 (Released:2013-03-12)
参考文献数
16

多くの神経障害性疼痛のガイドラインにおいて,デュロキセチン(DLX)は第1あるいは第2選択薬に分類され,重要な位置を占め,本邦でも唯一疼痛疾患に保険適応が認められている抗うつ薬である.米国では,神経障害性疼痛に加えて,慢性腰痛等の運動器疼痛にも適応が認められている.DLXは副作用が少なく,忍容性が高い薬剤である.鎮静作用が強くなく,体重増加作用が明らかでないことから,他の鎮痛薬(プレガバリン,オピオイド等)との併用薬としても使いやすい特徴を有する.鎮痛作用の中心は直接的な鎮痛効果であり,抗うつ作用を介しての間接的な作用は弱い.併せて当科での使用状況を適応疾患・副作用を含めて概説したい.