著者
松浦 邦明 鈴木 史朗 橋本 典明 本橋 昌志
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.85-90, 2006

We develop a real-time wave information and analysis system on the basis of a data assimilation technique, the optimum interpolation method, applied for wave observation data and forecasted data. The system can provide nowcast wave information for the sea area where there is no wave observation point. In the system, first, the initial estimate (nowcast) is computed in real-time with the observation data and forecasted information, and then the estimate is corrected after 12 hours with more accurate forecasted wave information. Finally, the corrected data is stored in the wave information database for analysis. We investigate the characteristics of the nowcast wave data and confirmed that the accuracy of the data is high enough for practical applications.
著者
橋本 典明 川口 浩二 河合 弘泰 松浦 邦明 市川 雅史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.176-180, 2003-10-10 (Released:2010-03-17)
参考文献数
5
被引用文献数
1

1951~2000年の50年間に日本付近に来襲した台風データに基づいて確率台風モデルを改良した. 本研究では, 台風位置 (緯度, 経度) の時間変化量の偏差を2次元ARモデルにより季節別にモデル化した. 一方, 台風中心気圧・最大風速半径に関しては, 1次元ARモデルにより季節別にモデル化した. このモデルを用いて, モンテカルロシミュレーションを行った結果, 台風経路の再現性が改善され, 台風中心気圧の平面分布は概ね実データのそれと一致した. また, 過去50年間に伊勢湾に接近した台風の最大気圧降下量も, 実データは概ねシミュレーションの標偏差内に入っていることから, 本研究で改良・構築した確率台風モデルは妥当なモデルであると考えられる.
著者
橋本 典明 河合 弘泰 松浦 邦明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1221-1225, 2005
被引用文献数
1

過去半世紀間において日本列島の南方海域では, 台風の平均中心気圧が低下してきた. また, 気象庁のRCM20で予測した100年後の気圧や風の日平均データから台風を抽出し, その属性を統計解析すると, 今後100年間に九州南部などでは平均中心気圧が低下する可能性があり, その一方で, 本州の東部や日本海における変化は少ないことが分かった. さらに, 地球温暖化の影響の一つとして, 台風属性の時間変化量の平均場が緯度・経度方向に平行移動すると仮定し, 確率台風モデルによって将来に発生する台風の属性を与えた. そして, そのような平均場の移動によって, 三大湾の周辺に来襲する台風の中心気圧や風速の極値が変化することを示した
著者
中野 俊夫 大澤 輝夫 吉野 純 益子 渉 河合 弘泰 松浦 邦明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1286-1290, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

台風により発生する強風や波浪・高潮を高精度に推算することは, 海岸工学上, 極めて重要な問題である. 本研究は, 台風ボーガスの高度化および4次元データ同化の検討を通して, 数値予報モデルの精度向上を図り, 一般性のある海上風推算手法の確立を目指したものである. 台風ボーガスの高度化, 4次元データ同化を行った結果, 台風の中心気圧, 進路の推算精度が向上することが確認された.また, この手法で推算された海上風を周防灘・八代海に高波・高潮をもたらした10事例で比較したところ, 従来の簡易的な推算手法より精度の高いことが確認された.